ある朝起きると首に痛みが。
変な格好で寝てたのかな?と思いながら、朝の時間を過ごしていると、だんだん痛みが強くなって、次第に首が動かせなくなる。
いわゆる寝ちがえです。
首が痛くて動かせない事が多いと思いますが、場合によっては物を飲み込む動作で、のどに痛みが出る事もあります。
寝違えは突然起きたように感じますが、実際は事前に疲労の蓄積などがあって、起きるべくして起きてることが多いようです。
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首の筋肉の構造について考えてみます。
首の後側には、重い頭を支えるために重要な、大きな筋肉が背中の方まで繋がっています。
その中には、肩の動きと関係する筋肉も含まれています。
首の前側には、頭を自由自在に動かすための、細い筋肉が沢山付いています。
その中には、物を飲み込む動きや、肋骨を引き上げ、呼吸に関わる動きをする筋肉も含まれています。
どの筋肉に痛みが出るかによって、症状は変わって来ます。
50代女性の例です。
一昨日に、右の首に寝違えを起こしたとおっしゃいます。
首の痛みだけではなく、物を飲み込む時に、喉の辺りも痛いようです。
首の動作テストで、首を回してもらうと、首を右へ回したときに右側の首筋が特に痛みます。
施術は、首の右の筋肉(僧帽筋)へ施しました。
仰向けで、両手の平で首全体を支え、右の僧帽筋の緊張が緩む位置と支え方に変えながら、弛緩が促されるまでしばらく待ちます。
次第に、首の痛みは小さくなりましたが、まだ右へ大きく回すと痛むようです。
そこで、飲み込む時の喉の痛みに着目しました。
痛む場所を細かく聞くと、首の前側(斜角筋)に痛みの発生源があるようです。
そこで、今度は首の位置と支え方を、斜角筋の緊張が緩む位置に変更し、弛緩が起きるまでしばらく待つ事にしました。
しばらくして、斜角筋の緊張が緩んでくると、飲み込む時の痛みもなくなり、右首の痛みもなくなりました。
ひとつの筋肉がひとつの役割だけを担っているわけではなく、他のいくつかの動作にも関わってきます。
最もつらい動作や楽な動作があるのかを把握することも、悪い部分を早く見つけ出すのには必要になります。
この方は、後日少しだけ残っていた右首の痛みに同様の施術を行い、全てクリアとなりました。
寝違えなどの急な痛みは、放置しても、自然に治る場合もあれば、慢性化してしまう事もあります。
どうなるか先の事を初期の段階で区別するのは難しいのですが、早めに適切な処置を施し回復を早め、慢性化の可能性を出来るだけ少なくする事は必要です。
(2016年1月掲載)2021.09更正