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膝の軟骨変形で正座できない

膝が痛いのは、軟骨の変形のせい?

横座り膝が痛いのは、軟骨の変形のせいだと言われますね。
確かに軟骨の変形は起こります。
しかし、それと痛みとは少し離して考えた方がいいと思います。
年をとれば、骨や軟骨に変形が出るのは普通です。
しかし多くのかたは、変形しているのに痛むことなく元気にすごしており、そのことは整形外科の先生も分かっています。
それでも膝の軟骨の変形と言ってしまうのは、画像に写るのがそれぐらいしかないからです。
今の主な画像技術は、形の変形を写すのが目的だからです。
写真ではそれが限界です。
動画で撮るようになれば、形の異常だけでなく機能の異常も観察できるようになるでしょうが、まだ先の話しでしょう。
でもそうなれば、原因不明と言われる慢性痛の多くが観察できるようになるはずです。

膝が痛くて正座が出来ない80代の方

さて、膝が痛むので正座が出来ない80代の人の症例を話します。

整形外科で膝の軟骨が変形していると診断され、ヒアルロン酸注射を数回行ったそうです。
しかし残念ながら効果は無かったそうです。
正座をしようとすると、膝の痛みのため横座りになってしまいます。
痛みが出ている場所は、膝の皿周辺や膝の内側と裏側です。


膝に痛みがある場合、膝が腫れている(水が溜まっているといわれる状態)ことがよくあるのですが、このかたの場合、腫れは出ていません。
膝に体重を乗せずに曲げ伸ばしする動作は、かなりの角度まで痛みも抵抗も無く曲がります。
膝の痛む範囲がわりと広めです。
一度に全エリアを緩めるのは難しそうなので、施術エリアを膝の前側、内側、後側の3つのエリアに分ける事にしました。

膝の痛む場所を緩める

痛む場所には緊張が発生しています。
その緊張を緩めるために、痛みが出ている部位、例えば膝の内側であれば外側から、内側の痛む部位に向けて、ほんの少し抵抗が出る程度の加減で膝関節を押すようにします。
強く押しすぎると、緊張と衝突する方向に動いてしまい緩まなくなるので、押さず引かずの部妙なところで圧をコントロールします。
そのままの状態を崩さないようにキープすることが出来ると、次第に緊張が緩んでくるのが分かります。
緩むまでには数秒の時間しかかからない場合もあれば、数分かかる場合もあります。
気長に待ちますが、緩ます状態をキープし続けるのは結構骨が折れます。
膝の前側、内側、後ろ側、それぞれに対して同じように施術を行い、膝を緩めました。

腰も膝に影響するのでチェック

次に腰をチェックしていくことにしました。
腰にはそれほど症状は出ていなかったのですが、各種動作テストをすると、腰の付け根(腰椎と仙骨の境目)の右側に少し痛みがあるようです。
腰仙部と言われる場所です。

そこで、膝同様に、反対側から痛む側へ向けて軽く押し緩める施術を施しました。
しばらく続けると緩みが出てきたので正座をしてもらうと、痛みは無く正座が出来るようになっていました。

まとめ

1回の施術で膝の痛みが消えたので不思議そうにされていましたが、癒着などの悪条件が無く、膝自体に損傷や極端な可動域制限が無かったのが幸いしました。
膝を動かしていない期間が長いと、筋肉やその他軟部組織が硬くなり、癒着も発生するためそう簡単にはいきません。
しばらくはリハビリする必要がありますし、緩めるのにも時間を要します。

2011年掲載(2022.08更正)

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