痛み、しびれ、こわばり、違和感、むずがゆさなど、多くの不快な感覚があります。
この「不快感覚」に対して体は自然と「防御反応」を起こします。
それは危険から逃れたり、キズ口を守ったり、疲労から体を休めたりするために体に仕組まれた機能です。
この機能が体を守るために働いているときは良いのですが、ある条件が揃うと防御反応の一部が慢性化し、その結果体に悪影響を与える事になります。
分かりやすい防御反応の慢性化現象は、かばう動作がクセになる事です。
最初は良かったかばう動作も、回復が長引いたり、当初の痛みが強烈だったりすると、かばいグセが記憶されてしまいます。
体の動きの大部分は、その都度隅々まで意識し考えて動かしているわけではなく、一連の動きのプログラムとして小脳などに記憶されています。
これに「かばいグセ(不必要な防御反応)」が記憶されると、無意識にその動きが繰り返されます。
それは些細な動きの変化であっても、自然な体の動きを妨げ、常に無理な負荷がかかり、さらには新たな防御反応を作り出す負の連鎖が発生します。
多くの症状が、この些細な変化をキッカケに起きています。
例えば首で起きれば、頭痛、首、肩の痛み。
腰で起きれば、腰痛、坐骨神経痛、脚の痛みなど。
症状は「痛み」だけではなく、「しびれ」「こわばり」「疲労感」「こり感」「表現しにくい違和感」から「やる気がしない」「抑うつ状態」まで幅広く全身に及ぶ可能性があります。
その原因はもう患部にはなく、動きのプログラムにあるのかも知れません。
このプログラムは訓練で書き換えていくことが可能で、体の動きのどこを直せばいいか理解し、本人がその違いを感じながら訓練すれば直すことが出来ます。
症状があるのに検査しても異常が見つからない人。
痛めてから何年もたつのに治らない人。
ぎっくり腰など、何度も同じ痛みを再発する人。
いろいろ治療したがなぜか治らない人。
まずは、体の中に不快感覚の原因になっている異常がないかを探し、それがあれば解除を行いそれが無いにも関わらず症状が現われている場合は、かばいグセ(不必要な防御反応)のプログラムを書き換える訓練を行います。
この動きのプログラムは「意識の中の無意識」と言った位置づけで、意識をして訓練をすることで最も早く書き換えることが可能です。
いわゆる「上達する、上手くなる」と言うのと同じメカニズムです。
(2017年掲載)2021.09更正