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治療後の痛み・だるさが増す反応

治療後

施術後は今まで緊張し固まって動けなかった筋肉や、その影響で可動域が減少していた関節が、元の動きを取り戻し動けるようになってきます。
すると循環が改善するので、今まで停滞していた治癒が再開します。
このプロセスはどんな症状でも必ずたどる道筋で、そのまま症状がドンドン軽快していく人も多いのですが、中には一時的に筋肉痛やダルさが出て痛みが増す人もいます。
今回はそんな施術後の反応、この業界では「好転反応」とか「瞑眩反応(めんげんはんのう) 」と言われる現象の話です。
ちなみに瞑眩反応とは、漢方薬の服用中にその処方が証に合っているにもかかわらず、一時的に症状が悪化する現象の事なので、手技療法には使えない言葉なのかも知れません。

好転反応の実例

実際の施術での症例を書きます。
一ヶ月前に朝起きて突然腰が痛くなり、体が起こせなくなった人です。
腰の痛みがひどく、何かに寄りかかってないと歩けないほどだったそうです。
一ヶ月経ち、階段の上り下りもゆっくりなら大丈夫になって来たようですが、しばらく座って立ち上がろうとすると、腰が痛くて立ち上がれなくなるそ症状が続いているそうです。
当初、右の腰の痛みだったそうですが、来院時は左の腰の痛みも合わせて出ていました。
施術結果を先に書くと、一週間おきに3回施術を行い、3回目来院時にはもう痛みは無くなっていたので、最終チェックして施術は終了しました。

さて表題の「好転反応」についてですが、最初に施術を行った翌日の朝から2日ほど腰の痛みが強く出たそうです。
しかし、3日目になると嘘のように腰の痛みがなくなったそうです。
このかたの施術には、ポジショナルリリース(カウンターストレイン)と言う技術を利用し、痛みの出ている箇所(圧痛点)を緩める方法を行いました。
圧痛点が主に骨盤の内側(腸腰筋)部分に出ていたので、この圧痛点が痛みが消える位置にモモを移動させ、股関節の角度を調整し、約90秒程患部が緩むのを待つ技術です。
この方法で緊張を緩めるやり方は、今までも何度もやって来ましたが、特別強い好転反応が出たことは無かったので、ついうっかり痛みが一時的に強くなる事もあると注意しておくのを忘れていました。
この施術法の技術書にもちゃんと、一時的に痛みが強くなる事があるのできちんと伝えておきましょう、と書かれていたのに、ダメですねえ!うっかりです。

好転反応が出ないようコントロール

他の施術方法であっても、施術後だるくなったり、痛みが一時的に強く出たり、痛む場所が変わる場合があります。
これらをひっくるめて「好転反応」と呼んでいるのですが、「好転」とは言ってもあまり気持ちのいい反応ではありません。
出来るだけ出ないようにしたいと思って施術はしています。
悪い部分(主に筋肉の緊張ですが)は、正常に動けなくなっている状態です。
そこを緩めて動けるように施術を加えるのですが、急に100パーセント回復するわけではありません。
個人差もありますが、多かれ少なかれ小さな筋肉痛は起こりますし、細胞が治っていく時のだるさも出るはずです。
でも小さいと気付かず通り過ぎるのが殆どでしょう。

また、痛みが少ないようにかばう姿勢が長く続いていると、体も脳もその状態に順応(記憶)してしまいます。
それを体の方を変えるわけですから、脳がすぐに変化に対応できず、一時的な負荷を患部にかけてしまうこともあるでしょう。

色々な要素が絡み合っているので、簡単に予測は出来ませんが、なるべく好転反応が出ないようにコントロールしたいと思っています・・・上手く行かない時もありますが。

もちろん、なんでもかんでも「好転反応」だと言っているわけではありません。
今回紹介した症例のように、一時的な痛みの増大はあったものの、一ヶ月治らなかった腰痛が3日で痛みがほぼ無くなったわけですから、この場合は施術による好転反応だったと言って差支えないと思います。
結局結果次第ですね。

個人差がありますが、出来るだけ無理のない範囲・ペースで改善するよう考えて施術レベルを加減しています。
特に初回の人には、あまり多くの箇所を緩めないようにしています。
症状の主原因になっていそうなポイントを厳選して、1~2カ所をしっかり緩めt、そのほかは軽く緩める程度にして調整しています。
また、施術のあとは、運動やストレッチ、負荷のかかる作業などをしないよう皆さんにはお願いしており、患部の回復を邪魔しないようにしてもらっています。

2019年掲載(2022.04更正)

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