広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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腰痛と思ったら肋骨のヒビ

肋骨図

肋骨は、意外と気付かずにヒビが入っている事があります。
くしゃみや咳、些細な動作でもヒビが入ります。
小さいヒビなら、そのまま放っておけば治るので心配はいりません。
しかし、施術をする側としては、ヒビ(骨折)があるかどうかは、注意して見なければいけません。

今回のかたは、以前から子供の抱っこで左腰が痛く、それが昨日からひどくなり来院されました。
痛みは、左腰の上部外側です。
腰を左右にねじると、痛みが強くなります。
腰を丸めても痛く、逆に反らしていたほうが楽だそうです。
この段階で「ちょっとおかしいなあ?」という予感はありました。
痛みが、かなりはっきりしていることと、通常は左右どちらに回旋させても、同じように痛みが増す事はあまりありません。
痛みかたに差がでるのが普通です。
絶対ではないので、まずは悪くなっている部分を見ていくことにしました。

痛みが出ている部分は、腰と言ってもかなり上の方で、もう胸椎や肋骨のエリアです。
そこで下部胸椎周辺の緊張がないかチェックしていくと、胸椎9番~11番に、いくつか緊張が見つかりました。
うつ伏せで緊張している胸椎に左右から両手を当てて、支えるようにホールドします。
緊張でバランスが傾いているので、傾かないように支え直して、緩んでくるのを待ちます。
ある程度緩んできたのですが、施術後も痛みに全然変化がありません。
起き上がり動作もとても辛いようです。
胸椎の緊張は関係なかったのかな?と思い、肋骨と胸椎の間や、腰椎周辺もチェックしましたが、問題を起こしそうな緊張を見つけることが出来ません。
ただ、色々検査していく中で、なんだかちょっとおかしい感じもします。
胸椎9番~11番は上手く緩んでいるはずだし、それ以外に緊張は見つかりません。
なのに、ここまで痛みが変化しないのはなぜか?
そこで打診器で胸椎を軽く叩いて見ました。
すると左腰上部へ痛みが響きます。
緊張を緩めても全く変化が出ない事と、打診器による痛みの響き具合から判断して、「損傷」つまり骨折による痛みが出ていると判断しました。
肋骨11番か10番か9番の骨折(ヒビ)の可能性が濃厚そうです。
ご本人に骨折の可能性を話し、レントゲンを撮って確認する事をお勧めしたところ、やはり肋骨のヒビだった事が後日わかりました。
思いつく骨折の原因も無いようなので、疲労骨折なのかも知れません。
こういったことはまれにあるのですが、骨折などの外傷に気がつかず深追いして施術を進めてしまうと、損傷をひどくしてしまう恐れもあります。
本当に注意しなければいけません。
外傷自体をその場で治すことは出来ません。
外傷(ケガ、内出血)で痛みが出るのは当然の現象で、それは治癒するための反応でもあります。
治癒反応によって痛みが増しているので、傷口を開かないように気を付けて、おとなしく治るのを待たなければいけません。
骨折の疑い濃厚と判断したので、施術料は半分だけ頂きました。
施術適応外ですので。

2016年6月掲載(2021.09更正)

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