骨折があれば当然炎症も起き痛みが出ます。しかし、ヒビだと程度や場所にもよりますが、骨折だと気づかない時もあります。
骨折があるので当然痛みは取れませんが、骨折が治りやすいように不要な緊張を緩めておきます。でももう一つ大事なことは、余分な事をしないことです。骨折の治癒を妨げることにならないように。
肋骨は、意外と気付かずにヒビが入っている事があります。
くしゃみや咳、些細な動作でもヒビが入ります。
小さいヒビなら、そのまま放っておけば治るので心配はいりません。
しかし、施術をする側としては、ヒビ(骨折)があるかどうかは、注意して見なければいけません。
今回のかたは、以前から子供の抱っこで左腰が痛く、それが昨日からひどくなり来院されました。
痛みは、左腰の上部外側です。
腰を左右にねじると、痛みが強くなります。
腰を丸めても痛く、逆に反らしていたほうが楽だそうです。
この段階で「ちょっとおかしいなあ?」という予感はありました。
痛みが、かなりはっきりしていることと、通常は左右どちらに回旋させても、同じように痛みが増す事はあまりありません。
痛みかたに差がでるのが普通です。
絶対ではないので、まずは悪くなっている部分を見ていくことにしました。
痛みが出ている部分は、腰と言ってもかなり上の方で、もう胸椎や肋骨のエリアです。
そこで下部胸椎周辺の緊張がないかチェックしていくと、胸椎9番~11番に、いくつか緊張が見つかりました。
うつ伏せで緊張している胸椎に左右から両手を当てて、支えるようにホールドします。
緊張でバランスが傾いているので、傾かないように支え直して、緩んでくるのを待ちます。
ある程度緩んできたのですが、施術後も痛みに全然変化がありません。
起き上がり動作もとても辛いようです。
胸椎の緊張は関係なかったのかな?と思い、肋骨と胸椎の間や、腰椎周辺もチェックしましたが、問題を起こしそうな緊張を見つけることが出来ません。
ただ、色々検査していく中で、なんだかちょっとおかしい感じもします。
胸椎9番~11番は上手く緩んでいるはずだし、それ以外に緊張は見つかりません。
なのに、ここまで痛みが変化しないのはなぜか?
そこで打診器で胸椎を軽く叩いて見ました。
すると左腰上部へ痛みが響きます。
緊張を緩めても全く変化が出ない事と、打診器による痛みの響き具合から判断して、「損傷」つまり骨折による痛みが出ていると判断しました。
肋骨11番か10番か9番の骨折(ヒビ)の可能性が濃厚そうです。
ご本人に骨折の可能性を話し、レントゲンを撮って確認する事をお勧めしたところ、やはり肋骨のヒビだった事が後日わかりました。
思いつく骨折の原因も無いようなので、疲労骨折なのかも知れません。
こういったことはまれにあるのですが、骨折などの外傷に気がつかず深追いして施術を進めてしまうと、損傷をひどくしてしまう恐れもあります。
本当に注意しなければいけません。
外傷自体をその場で治すことは出来ません。
外傷(ケガ、内出血)で痛みが出るのは当然の現象で、それは治癒するための反応でもあります。
治癒反応によって痛みが増しているので、傷口を開かないように気を付けて、おとなしく治るのを待たなければいけません。
骨折の疑い濃厚と判断したので、施術料は半分だけ頂きました。
施術適応外ですので。
転んでから調子が悪くなると言うのは、10代の人から見れば信じられない事かも知れませんが、だんだん年齢が上がるとそう言う事も起こってくるのです。
今回の話は、何かと転びやすいかたで、ついには尻餅ついて、お尻の骨にヒビが入ってしまい、それから脚が重だるくなってきた、そんなかたの話です。
40代女性。
以前通っていた整体で、足首を強く捻られてから、足首から膝の調子が悪くなり、正座が出来なくなったと言って、最初に来院されました。
すでに足首やひざに関しては改善しています。
その後も、階段などで転倒してしまい、その衝撃で体が歪んだ感じがすると言って来院していました。
その歪み感も、その都度調整してきました。
さて今回は、また階段から転倒してしまったそうです。
その際、お尻を強く打ってしまい、それから歪みを強く感じるようになり、さらに脚が重だるくなっているそうです。
打った場所は、尾骨(俗に尾底骨と言われる部分)です。
かなり強く打ったようで、一ヶ月経った今でも痛みが残っています。
足首~膝~股関節~腰と順番に施術をして、左右差を縮めていったのですが、やはり尾骨の圧痛は残ります。
打った時の状況と、その後の痛みの経緯、施術に対する反応から考えると、転倒時にヒビが入った可能性が高そうです。
ヒビなら治癒するのを待つしかないので、気になるようなら整形外科でレントゲンを撮るよう薦めました。
その結果、レントゲンで尾骨のヒビが確認されました。
ただ、脚の重だるさは前回の施術後に無くなったそうなので、ヒビとは直接関係は無かったようです。転倒などの突発的な動きの時に、本当なら反射的に体が動いて体を守るのですが、年齢と共に反射速度は鈍くなってきます。
40歳代は、今の常識ではまだ若いですが、肉体的に見ると、とうの昔にピークを過ぎています。
当然、体の反応速度は落ちて来ています。
それ以外の能力も、放っておくとどんどん下降していく年齢です。
すると、ちょっと転んだだけでも、体を壊してしまったり、ヒビが入ったり、衝撃で筋肉に緊張が残ってしまったり、と色々なことが起こりやすくなります。
ケガをすると完全に元の状態には戻らないので、特に中年以降はケガをしないように心掛けて下さいね。
2016年6月(2021.09更正)