整体よもやま話

生理痛とマッサージ

生理痛

女性の方で、生理痛がひどく困っている方は結構多いですね。
原因が子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの病気の場合は別として、そうではないのに毎月ひどい生理痛に悩まされる。
本来、生理痛は無いのがあたりまえと言う見解もあるようですが、実際のところどうなのでしょう。
ある方の施術例も交えて、少し考えてみたいと思います。

生理の時には、ホルモンバランスや発痛物質の量が大きく変化するので、何がしか普段とは違う症状が出るのは当然です。
しかし、ほとんど痛みを感じない人も沢山いるのは事実です。
この違いは何なのでしょう?
ある症例ですが、このかたは元々生理痛がひどくないタイプの人でした。
ですが5年前、マッサージ店でかなり強いマッサージを受けてから、ひどい生理痛に悩まされるようになっているそうです。
そのせいかどうかは分からないけれど、2年前から首にも痛みが出て来たとおっしゃいます。
因果関係はどうなんでしょうか?

施術は、首の痛みが出ているので、先ずは首の動作テストから行いました。
首を後ろへ倒す(首の後屈)と、首の付け根(頸椎6番周辺)に痛みが出ます。
首を左右に倒す(首の側屈)と、首の両側面が突っ張る感じが出ます。
腰の動作テストでは、腰は右に回す(右回旋)のと、左へ倒す(左側屈)のがやりにくいようですが、この動作では痛みはありません。
腰の可動域制限だけです。
腰を後ろへ反らす(腰の後屈)と首の付け根に痛みが出ますが、これはこの動作中に首も反るからで、腰とは関係ないでしょう。
さらに腰の状態を詳しく見ていくことにしました。
すると、右の腰から股関節周辺にかけて、緊張がハッキリと高くなっています。
緊張の出ている部分は、体の後面ではなく前面(内部)側のようです。
腰椎から下に下がって、骨盤の内側を通って、股関節内側へかけてのエリアです。
ちょうどここには腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)と呼ばれる大きな筋肉が占めています。
この筋肉は、人間が特に発達していて、直立二足歩行にとって重要な筋肉です。
バランスをとるのに重要な働きを担っています。

腸腰筋

ちなみに、腸腰筋の全てのエリアが緊張しているわけではありません。
その中の一部分が、緊張がロックして緩まなくなっている。
緊張している部分があると、バランス(重心移動)の固定が起こってしまい、首へ掛かる負荷(頭は重いですから)にも偏りが起こります。
他にも様々な影響を生みます。
首の痛みは、そういった影響を受け続けて出てきたのかも知れません。

さて、この腸腰筋は外から直接触れることは、ほとんど出来ません。
股関節(大腿骨)の動きを使って、緊張が解除される方向を探って行きます。
仰向けで大腿部を両手で抱え、片膝立ちで支えます。
腸腰筋の停止部である股関節内側にかかっている緊張のバランスをチェック。
そのバランスが傾かない位置に支えるポイントを移動します。
移動させしばらくすると、股関節にかかる緊張が緩んできました。
続いて首も同様に緊張が出ているエリアをゆるめます。
ある程度緩んでから、もう一度、首、腰の動作テストをすると、動作改善がはっきり見られました。
まだ部分的に緩んでいない所があるようなので、翌週に同様の施術と、腸腰筋が緩むことで見えてきた腰仙部(腰椎と仙骨の間)の緊張を緩める施術を行いました。
大きなエリアの緊張が緩まないと、見えてこない小さな緊張もあり、今回は腰仙部の緊張がそれでした。
その結果、ひどかった生理痛は無くなり、首の痛みも無くなり、症状は無事解決出来ました。

このかたは、腸腰筋と腰仙部にかかった制限(緊張)を解除することで、ひどかった生理痛を改善することが出来ました。
その原因を作ったのが、本人がおしゃるようにマッサージだったのか?
それとも他に原因があったのかはわかりません。
ですが、何かのきっかけで体の中に緊張がロックされてしまうと、その後何年立っても、自然解除されることもなく体に悪影響を及ぼすことがある。
その悪影響は、痛みの場合もあれば、不安定感や今回のように生理痛のような形をとって現れることもあります。
体の関係性と言うのは本当に不思議です。

2016年掲載(2021.09更正)