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機能的異常と器質的異常へのアプローチ

 

「機能的異常」と「器質的異常」との関係

機能と器質機能的異常とは、
解剖学的・病理的な異常が見当たらないにも関わらず、臓器や器官などの働きが低下する、つまり働きの異常です。

器質的異常とは、
内臓や神経・筋肉・器官といった各組織において病理的・解剖的な異常が生じた事により引き起こされる、つまり組織の異常です。

二つの関係はコンピューターのソフトウェア(機能)とハードウェア(器質)とに例えられます。
人の身体で考える場合、この二つを全く別々のものと考える必要はありません。
どんな症状も、機能と器質、両方の異常を必ず持ち合わせているからです。

器質と機能の間には相関関係があります。
それは、「形は働きを決め、働きは形を決める」という関係です。
機能、器質で置き換えると、「器質は機能を決め、機能は器質を決める」となります。
では、臨床でよく目にする器質異常と機能異常の相関の例をあげます。

例えば、
腕を打撲→ひどく内出血→激しい痛み→腕を動かせない。
と言う一連の流れですが、打撲による内出血は組織の損傷、つまり器質異常です。
炎症が起こり、痛み物質も大量に発生するので痛くなります。
ところが、それと同時に筋肉に機能異常が起きる場合があります。
これは、関節を安定させて動かすための制御に狂いが生じ、筋肉の一部が異常緊張を来たした状態です。
数日たち、打撲で壊れた組織が修復されてくれば、痛みも減り内出血も消え、腕も正常に動かせるようになるはずです
。ところが傷は修復されているはずなのに、痛みが消えず腕が上げられない、と言ったことが起きる事があります。
これは打撲のときに器質異常と合わせて起きた機能異常が、上手く回復出来ずに残っているからです。

慢性的な痛みや体の不調など、明確な原因が見当たらない症状の多くで、このような機能異常が影響している場合があります。
しかし、この機能異常をそのまま放って置くと、次第に組織の萎縮、癒着などが起こり、器質の変化へと進んでいくでしょう。

キズを広げ機能を狂わす行動

キズ修復期間の目安

キズ、つまり事故やスポーツ、転ぶなどして出来たケガによる外傷。ケガ
そのキズが癒えるまでおおよそどれくらいの期間が必要なのか、目安を書きます。

修復にかかる時間は、傷つく場所(それが皮膚なのか筋肉なのか、骨なのかなど)によって大きく変わってきます。
それぞれの修復期間の目安は、

  1. 皮膚の修復・・約一週間
  2. 筋肉の修復・・約2週間~2ヶ月(軽症~重症)
  3. 腱の修復・・・約2ヶ月
  4. 靭帯の修復・・約2ヶ月~6ヶ月(軽症~重症)
  5. 骨の修復・・・約2ヶ月~6ヶ月

上記1~5は、成人の場合を想定しています。

キズの修復には血液が必要

血液によって不要なものは排出され、修復に必要な材料や化学物質が運び込まれます。
なので、血管、特に毛細血管がしっかり張り巡らされている組織は治りが早く、そうでない組織は治りが遅いと考えれば良いです。
そのため、キズ(ケガ)の場所によってかなり修復期間に差があるのがわかると思います。
もちろんキズの度合いによっても差がでます。
腱やじん帯、骨なんかは、結構治るのに長くかかるのです。
毛細血管がとても少ないので。
キズ周辺に治癒を邪魔するものが何もない健康な人でも、単純に傷が治るのにこれくらいの期間がかかるので、治癒を邪魔する要因がある人はもっと長い期間、あるいは慢性化して治らなく場合もあります。

また、年齢によっても違ってきます。
いつまでも若い時と同じ回復を期待してはダメです。
年齢と共に回復は遅くなりますから、それは頭である程度理解しておかなければいけません。  

「気にし過ぎ」が修復を妨げる

体の表面をケガをしたときはキズが目に見えるので、治っているのか、まだキズが塞がっていないのか、状態が分かりやすいですね。
でも、体の中のキズは見ることが出来ません。
キズの塞がり具合はどうなのか?
膿んでいないか?
順調に回復しているのか?
もう治っているのか?
など、目に見えないので色々考えてしまうかも知れません。

ケガをして痛みがしばらく続くと、痛みの場所が凄く気になってくると思います。
でも、キズが塞がっていないのに動かしすぎれば、当然キズは広がり組織は「壊れます!」。
延々と治る暇を与えない状態を自分で作っているようなもので、その結果慢性化してしまうかも知れません。
とは言っても、キズはもう塞がっているのに全然動かさないようにしていると体は「衰え」ます。
廃用性萎縮といって使わない所は必要ないと判断され、機能がどんどん衰えていきます。
筋肉だったら力が弱くなり、骨だったらもろくなります。
目に見えない場所のキズ(ケガ)の状態は、自分で判断するのはなかなか難しいかもしれません。

それと、『やってはいけない動き』というのがあります。
気にし過ぎて、自分で痛みを確認するような動きです。
痛みや違和感があるところが気になる為、そこに力が集中する(支点が出来る)ように「グリグリ、ゴリゴリ」と動かしてしまう。
この動かし方をすると、キズ(器質異常)の修復を困難にするだけでなく、緊張が緩まなくなる(機能異常)状態を自分で作ってしまう可能性が出ます。
痛みがあるのに気にするなと言うのは難しいかもしれませんが、極力忘れて普段通りの身体の動かし方をするのがベストです。

手技療法は機能異常へアプローチ

手技療法は、機能異常(働きの異常)を直す事しかできません。
器質異常を直接治すことは不可能であり、それを行えるのはそのかた自身の自然治癒力のみで、薬や手術などもその手助けをしているに過ぎないからです。
しかし、器質と機能の相関によって、機能を改善させることが器質を改善させることにも繋がります。

実際の施術を行う時、機能異常と共に器質異常が合わさっていることを必ず念頭に置かなければいけません。
それは、器質異常を悪化させる可能性のある手技を選択しないよう注意するためです。
間違って器質を直接変化させようと考えてしまうと、施術は強い力や大きな動きを伴った激しいものとなり、その施術自体が組織を破壊してしまいます。
一つの考え方として、さらに破壊する事で治癒力を導き出すというのもあるので、器質破壊による施術も完全否定はしませんが、その場合は施術者がそのことを理解し、患者への説明や痛みが激しくなる可能性の説明など、十分に行う必要があります。
しかし、手技においてはこの方法の適応範囲は狭いように思います。

(2016年7月)2022.04更正

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