広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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肩・肘・手首!互いに及ぼす痛みとシビレ

痛み・シビレを感じる場所と、その本当の原因が少し離れた場所にある事があります。
例えば、手首から肩へ、首から肘へと影響してしまうような。
時には、左ひじの痛みの原因が右の首筋に有ったりと、体の中心を挟んで対角線上に影響し合う事もあります。
ちょうど体の中心を挟んでテコの構造が体の中に作られてしまう。
体の中にテコの構造が作られると、支点が作られそこに力が集まり、テコが折れるように体が壊れます。
その為、意外と思う場所、結構離れた場所が影響されて壊れる事があります。
どこが原因か探す方にとっては、中々厄介な現象です。
今回紹介する施術例は、二人とも腕にシビレが出るという点では同じような症状なのですが、原因は二人とも全く違うところにありました。

右肩からの影響で左肘に激痛

肘の痛みこの人は、左ひじの痛みで来院されました。
カバンを、左手でずっと持っていると、左ひじに痛みが出始めます。
痛みは次第に激痛になって来るそうです。
数か月前からの症状で、原因は思い当たらないそうです。

肘の痛みは、肘関節の後面(肘頭)。
検査をすると、肘頭へ向けて外に押し出す緊張力が働いています。
肘関節が不安定なので、緊張をゆるめて安定させます。
ところが、直後は痛みが綺麗に無くなるのですが、数分するとまた肘に痛みが出てきます。
もう一度緩めてみても同じでした。
これはどうも読みが違うようだと思い、肘の痛み以外に他に症状は無いか聞くと、実は右肩にも痛みがあると言います。
右肩は7年前に痛めた事があって、その頃から首を上に向けると、首~右肩にかけて痛みが走るようになったそうです。
そのため、寝るときは高めの枕をしないと寝れなくなり、その頃から肩こりがひどくなったそうです。
かなり怪しい。
立位の姿勢を見ると、まっすぐ立っても体(首)をやや左へ傾けています。
右肩の痛みから逃げる姿勢を無意識に取っているようです。
この姿勢変化が、左ひじを上手く使えない条件を作り出し、肘に痛みを出しているのかも知れません。
そこで、右肩を触診すると、右の首筋の筋肉(斜角筋)に強い緊張があります。
斜角筋は頸椎の側面から鎖骨の内側(肋骨)に向かって伸びている筋肉です。
仰向けで首の後ろに両手を差し入れて、頸椎全体を支え、緊張によってバランスが傾いている部分を支え直すことで緊張のロックを外し緩むのを待ちます。
これで首の痛みは無くなり、真上に向けれるようになり、それに伴って左肘の激痛も出なくなりました。
右肩と左ひじ。ちょっと離れていますが影響しあっていた例です。

手首からの影響で腕全体にシビレ

手首の痛みこの人は、右の肩から手の甲あたりまで、ぼんやりですがシビレ感が常にあります。
右の首筋にも少し突っ張り感があるようです。
痛くて仕方ないと言うわけではないのですが、なんとなくイヤな感じがして、右手の力も少し入りにくい気がするそうです。
今までも、たまに同じ症状が出る事があったそうです。

検査をして、最初に疑ったのは肩甲骨の周辺でした。
圧痛(押すと痛む)が肩甲骨周辺にいくつかあり、これらを緩めて行ったのですが、問題の症状は、まったく変化しません。
困っていると、
「そういえば、右手のひらをついて体重乗せると手首に痛みが出る」
と言ってきました。
もしかして?と思い、手首を検査すると、手の甲の人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指の間の手首に近い側(中手骨間の手根骨寄り)にも圧痛点があります。
早速、圧痛点に指を軽く当てて、その部分の皮膚がぴんと張るように軽くずらして支え、しばらく待つと圧痛点がほぼ消えました。
これで右腕のシビレ感が半分ほどに減少しました。
続いて、手首を行います。
手首は、ぐっと反らすと痛いので、痛くない手のひら側へ曲げる位置で操法をやってみました。
正座で座らせ、手のひらを下にして右手を前に出しゆっくり手首を曲げさせます。
手首を持って支えながらこの動作を延長させると、手首が曲がり、肘、肩が上がり、右のお尻に体重が乗って体が少し左に側屈します。
しばらくの間この姿勢を続けてゆっくり力を抜きます。
手首の痛みがだいぶ減って来ると、右腕のぼんやりとしたシビレ感も無くなりました。
なかなか原因箇所がはっきりしなくて悩みましたが、この例も症状(肩から腕全体)と原因箇所(手首)に距離がある例でした。

(2018年7月加筆修正)2022.04更新

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