整体よもやま話

痛みから逃げると治る

「気持ちのよい方へ動かすと治る」。これは操体法の橋本敬三先生の考え。気持ちよい動き
えっ!そんな簡単なことで治るの?って疑いたくもなりますが、やってみると確かに治ることが多いですね。

私が操体法を学んだのは、本やDVD・インターネットからがほとんど。それを臨床で工夫しながら施術に組み込んでいます。だけど実際はそんなに上手くはいかないもので。痛い方向、感覚は誰でも簡単にわかるのですが、気持ちの良い方向・気持ちの良い感覚となるとなかなかわかりにくいもので。私だって、体のどこか痛い時に気持ちの良い方向や動きを探そうとしても、無意識に痛い方向へ引きずられちゃいますから。
施術で利用するときは、バタバタ早い動きで気持ちよさを探そうとしないで、ゆっくり丁寧に太極拳のような感じの動き方で探してもらうようにしています。ゆっくりじわじわと、リラックスした動きと感覚で探すと、気持ち良い感覚を見つけやすくなると思います。

首を左に回すと痛く、右に回すと楽。じゃあ単純に右に回していけば治るのでしょうか?
多分こんな単純に行くことは稀でしょうね。楽かどうかと言う感覚も、右に回すと楽だけど気持ち良いという感覚はあるのか?左の回すと痛いようだが、左に向けたくない嫌な痛みなのか、それとも痛いけどイタ気持ちいいような感覚なのか。気持ち良さにも色々あるので尚更難しくなりますねえ。
でも何度か試していると、なんとなく気持ちがいい感覚と言うのが分かってきます。気持ちいい感覚が少し掴めて来たら、さらに手や足や腰などをゆっくり少しずつ動かして、もっと気持ちよさが増すポジションを全身で作っていくとさらに効果が出ます。全身で気持ちよさを作り出すことが出来たら、しばらくそのまま感覚を味わった後、制限のあった首の動きを確かめてみると、完全ではなくてもいくらか改善していることが多いですよ。

ちょっと一例を書いて見たいと思います。
もう十何年も首も付け根に重いコリがあって、押すとイタ気持ち良いと言うAさんの話です。
マッサージにしょっちゅう通っているそうですが、首のコリが取れないそうです。そこで、痛いところをちょっと強く押しながら、その痛みがなくなるように首をゆっくり左右に動かしてもらいました。すると、ある位置に来ると痛みが全くなくなり、ただ押されているだけの感じになると言います。気持ちよさもあるとの事。
(この気持ちよさは最初の痛いところを押した時のイタ気持ちいい感覚とは別ものです)
さらに手足の位置を変え、ねじったり伸ばしたりしながらさらにベストなポジションを探していくと、最終的には盆踊りやってるような格好になりました(^o^)。
このポジションを約2分程度気持ちよさがなくなるまで続けてもらい、再度こりを確認。硬さはほとんど無くなり、コリの感覚も激減。ここ数年で最高に緩んだ感じがすると喜んでくれました。
今回はAさんに自身の体を操って気持ちいい感覚を導き出すと、体は治ってくるということを感じてもらえたことが、一番の成果だったと思います。

今回の「操体法」については、リンク集に操体法のサイトがありますので、詳しくはそちらをご覧ください。すごく面白いですよ。特にイラスト入りの橋本敬三先生の語録集「温古堂ノート」は笑えます。

(2016年7月修正)2021.01更新