広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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腰痛と損傷

 力作業や大掃除なんかで「グキッ!」と腰を痛める。
良くある話だが、この時、腰の中で何が起きているのか?
痛みの原因は何なのか。
まずは筋肉、筋膜、靭帯など軟部組織の損傷を考えなければいけない。
意外とこの損傷を失念している人がいる。
目に見える場所、皮膚などの損傷であればそうはならないのだろうが、表面からは見えない体内での出来事。痛みの感覚にも違いがあるのも理由だろう。
損傷があれば痛みの原因になるし、傷がふさがるまではある程度痛みは続く。

損傷とは別に、もう一つの痛みの要素がある。
それが筋肉の過緊張。
最初に出来た損傷部位をかばおうとして発生してしまう場合が多い(古い場合もある)。
ところが、これ自体が結構強い痛みを出す。
そのせいで、
損傷の痛み(1)+過緊張の痛み(3)=痛み合計(4)
と言うような痛みの増幅が起きる。
過緊張は損傷部の回復も妨げる場合があり、慢性化のリスクを上げる。このような場合は積極的に過緊張を緩め、痛みのレベルを下げ、治癒の促進を図るべき。

さて、これもよく聞く話なのだが、腰が痛くなったので、自分で揉んだりストレッチをやってみた。
結果は、だいたい痛みがひどくなっている。
損傷のことを失念している人がやりがちな例。
自ら傷を広げてしまっている。最初の傷だけなら痛みも小さく回復も早かった可能性が大きい。

まれに損傷が(0)で過緊張が(3)と言うような場合もある。
この場合に限り、ゆっくり伸ばすことで過緊張を解除できる可能性はある。
あるのだが、伸ばさなくても楽な姿勢でしばらく待っていれば解除されるので、あえて伸ばす必要はない。
自己流で変に伸ばすと、損傷を作ってしまうこともあるので。
何かの動作後に急に腰が痛くなった場合の対処は、すぐに痛みの少なくなる姿勢(傷が広がらない姿勢)をとって、少なくとも30分ぐらいはジッとしているとよい。損傷であれ過緊張であれ、どちらにも良い影響を与え回復を助ける。

このかたも同じような理由で腰の下のほう全体に痛みが出て治りが悪くなっている。
腰を反る動作と左へ曲げる動作で痛みが強くなる。
腰椎全体が右へ回旋し右へ倒れている。腰椎1番と5番には緊張が強く出ており、緊張のロックがある。
座位でははっきりしなかったが、寝てもらうと右の骨盤と仙骨の間にも割と大きな緊張がある。
腰椎5番の緊張を緩めてみたが痛みが変化しなかったので、仙骨+腸骨を使って緩めなおすと成功。
感触としてはかなり古い緊張のように感じた。
腰椎1番のロックも外れにくく、癒着を伴っていたのだろう。
腰の動作痛はすべて消えたのだが、最初に損傷した部分がまだ治癒中だ。
傷を開く原因になるストレッチや もみほぐしは厳禁となる。
本来であれば慢性化するはずのない腰の痛みも、新旧あるが筋肉の過緊張が緩まなくなったことで慢性化の方向へ進んでしまうことがある。
慢性化するメカニズムがわかれば、途中で連鎖の鎖を断ち切らなければいけない。 

「2025.8.4記」

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