半年間、ひじの内側に痛みが有ると言う。
主だった外傷の原因は思いつかないようなので、日常繰り返される過負荷による慢性損傷なのだろう。
しかし半年治らないというのは年齢(約60歳)を考慮しても直りが遅すぎる気がする。
肘内側の靭帯や繊維組織損傷だとしても、いくらか直る兆しが出ているころだ。
肘以外に原因があるのかとも思ったが、
上腕や首筋、また手首・前腕エリアには何の違和感も異常も感じない。
となれば患部である肘周辺を検査する。
すると肘関節の遊びが少なくなっている。
肘関節を構成する上腕骨遠位端、あるいは橈骨・尺骨の近位端に緊張のロックによって力み点が出来ているのだ。
緊張のロックが肘関節部に「力み点」を作った結果、日常動作から過負荷が生まれ、肘を慢性損傷させているのだろう。
力み点は上腕骨の遠位端内側(肘の内側)に有った。
前腕からの筋肉が多数停止(付着)している場所だ。
痛みの発生場所とも一致する。
そこで、その場所を緩めてみたのだが、肘の動作痛に大きな変化がない。
ハズレなのか?とも考えたが、だがそれ以外に異常個所が見つからない。
見つからないのでこれ以上は何も出来ない。
だが、ここから慢性化していた肘痛の自然回復が始まった。
その後3回施術する中で、肘の痛みはだんだんと無くなって行き、最終的には痛みは消失した。
正常な自然治癒が再開した結果だろうと思う。
「2025.7.29記」