広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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初めての肩こりと慢性の肩こり

肩こりのイメージってどんな感じでしょうか?
若い時からずっと凝り症で。
週一回マッサージに通ってますとか。
どちらかと言えば、慢性的なイメージが強いのかも知れません。
でも、慢性的な肩こりの人にも凝ってなかった頃はあったはずです。
いつの頃から肩こりが始まったのか、何が切っ掛けだったのか、など気になります。
ここで紹介するのは、今まで肩が凝ったことが無いと言う人が、突然肩こりを感じるようになって治らなくなってしまった話と、もう5年間ずっと慢性的に肩が凝っている人の施術の話です。

肩の歪みで突然の肩こり

今まで肩が凝ったことなどほとんど無いという30代の人。
10日前から突然左肩にコリのような違和感が出るように。
肩が凝ったことが無いので、これが肩こりなのかどうかよくわからないそうです。
原因になるようなことは?と聞いたのですが、分からないそうです。
凝りがひどい時は、脇の後ろが少し痛くなるようです。

肩を触診してみると、筋肉の張りが強く出ている部分がいくつか見つかりました。
脇の後ろ(広背筋や大円筋)や、肩の上(肩甲挙筋、僧帽筋)などが主です。
しかし、筋肉が収縮して硬くなっていると言うよりは、膨張してパンパンに膨らんでいる感じです。
筋肉に起こる凝りは、二種類に分けれます。
筋が収縮して(短くなって)固さが出るコリと、逆に、伸ばされて(長くなって)膨張して張ったコリです。
膨張して張った凝りの場合、原因が他にあって、その影響で伸びざるを得ない状態になっている可能性があります。
肩関節の状態をよく検査すると、肩の位置が少し前に出ています。
胸鎖関節(鎖骨の胸の付け根側)部分に、やや上方へ向かう歪みが出ています。
それと、左ふくらはぎと左膝裏に緊張と圧痛が強く見られます。
左下肢に緊張があると、重心(支え)が左後方にとどまりやすくなる傾向が出るため、その垂直線上に負荷が極端にかかりやすくなります。
突然の肩こりの主な原因は、肩関節の歪みにあると思われますが、左下半身の緊張もありそうです。

ふくらはぎの緊張や膝裏の圧痛は、足を支配している坐骨神経が緊張している現れとも言われ、普段の不良姿勢や重心の不均衡などによって起こるようです。
坐骨神経ラインが緊張すると、殿部や脊柱起立筋(背骨をささえる筋)も張り、肩や首の凝りも発生しやすくなります。
膝を揺らして坐骨神経ラインを緩めると、膝裏の圧痛は無くなりました。
左脚の後ろから背中までの無駄な緊張も取れてきたようなので、胸鎖関節周辺の調整を行うことにしました。

鎖骨と首との隙間が、緊張で詰まっています。
この緊張を緩めます。
普通でも強く押すとちょっと痛い場所なので、あまり痛みを与えないように慎重に。
ある程度緩んでくると肩が少し軽くなったようです。
次は肩の歪みの調整。
肩関節を後ろに少し引いた位置で、腕をゆっくり何回か回します。
反発が出ないように回すと、次第に緩んできました。
肩の凝りを確認してもらうと、これでもうほとんど凝り感は無くなったそうです。
その後も経過は良好で、再発する事無く、二回目の施術で終了となりました。

もしかすると、こういったことが切っ掛けになって慢性の肩こりに進んでいくのかも知れません。

慢性肩こりからの卒業

ここでの話は、5年間ずっと肩こりが慢性的に続いている女性の話です。背骨のゆがみ
肩こりがひどい時は、腕にシビレも出るそうです。
整体にも何軒か行ったそうですが、治らずに五年が過ぎたそうです。
今まで試した施術は、マッサージや、もみほぐし系の整体、関節を矯正(ボキっと鳴らす)整体だそうです。

背中を見ると、亀の甲羅のようです。
筋肉が張ってしまって、背中が丸くなっています。
背骨にゆがみが出ています。
図のように、右へ左へとクネクネ蛇行しています。
頸椎は左へ、胸椎は右へ、腰椎は左へと、飛び出しています。
可動域の制限(緊張による制限)がなければ、見た目の歪みはそれほど問題はありませんので、切り分けるためにいくつかテストを行います。

動作テストで、首の動作を各方向(回旋・側屈・前後屈等)調べます。
顔を左へねじって傾ける方向。
この動きをすると、左の首~肩にかけて、痛みが広がります。
腕(肩)や腰をの動作テストでは、特に痛みは出ません。
他にいくつかのテストを行って、このかたの慢性肩こりの原因は、首(頸椎)周辺にあると判断。
施術計画を立てて行きます。

頸椎を触診します。
頸椎には、左へ凸の歪みがあります。
首の動作テストでも、首を左へ曲げて行く方向に制限が出ています。
緊張の元を探します。
仰向けで、緊張している首を両手で支えると、やはり緊張でバランスが乱れ傾いているので、支えを合わせてしばらく緩むのを待ちます。
さすがに慢性化して長いと、簡単には緩み始めませんが、支える位置がピッタリ重なると次第に緊張は緩み始めました。
首の緊張を緩めると、首の歪みも消えました。
次に、胸椎、腰椎の大きな歪みを施術します。
この歪みが、首~肩へ負荷をかけているようです。
当初、頸椎の施術で解決するかも、と思っていたのですが、そう都合よくは行きませんでした。
胸椎、腰椎共に、同様の施術を進めます。
背骨全体の緊張(歪み)が無くなってくると次第に症状も小さくなり、四か月後には完全に凝りが無くなりました。
あれほどひどかった肩こりがすっかり無くなり、慢性肩こりから卒業することが出来たそうです。

症状の出ている周辺だけの施術では、解決しない事も多々あります。
特に年数が経っていると、緊張エリアが広がっていく事があるため、思わぬ所が影響していることもあります。
このかたは、腰や背中にできた緊張が不安定な土台となって、首へ負荷をかけ、慢性的な肩こりが維持されたのかも知れません。
人は、起きているほとんどの時間を、体を起こして生活します。
その姿勢の要になるのが「腰」です。
腰が固定してしまいうまく機能しないと、背中や肩、首にまで悪影響が広がることがあります。

(2021年1月加筆修正)2022.04更正

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