整体よもやま話

体の使い方・二種類の「力」テコとバネ

自分の体がどういう風に力を出しているのか考えてみたいと思います。

体を使って力を出す(作業を行う)時、その「力」の出し方には2つの種 類があって、普段それらを混ぜあわせて使っています。それぞれの力を言葉で表すと、「体の重さを使って出す力」と「筋力だけで出す力」という言い方で説明できると思います。体の感覚でこの違いをハッキリ理解するのは少し難しいかもしれないので 、それを簡単な模型で表してみます。

 テコとバネ

図1に四角形の荷物を支えるのと持ち上げる動作をそれぞれの力の使い方 に分けて書いています。

 図1の左側はいわゆるテコの原理で荷物を支えあるいは持ち上げています 。
その力のもとは右側の丸いおもりで、それをテコの腕を使って荷物に伝えています。
これが「重さを使って出す力」です。

図1の右側、これはバネだったり車を持ち上げるジャッキと同じだと思ってください。
伸びていけば荷物を持ち上げることが出来ます。
これは「筋力だけで出す力」のことで、重さには関係がありません。

二つの大きな違いは、重さを使うとテコの腕の部分、これは自分の体で言えば肩だったり腕だったりするのですが、この部分に荷物の重さだけでなく自分の重さもかかってくる。
筋力だけのほうは、力はもちろん必要ですが、自分の重さはかかってこないというところです。

どちらの使い方が良い悪いではなく、二つには違いがありますよと言うことです。
とても重いものを引っ張る時には、自分の重さも利用したほうが楽ですが 、ボーリングの球を投げるときなどは重さで力を出そうとすると自分の腕がもげてしまうので、やめたほうがいいですね。
どちらも筋力は必要で、テコのほうは重さを伝える部分が曲がらないように筋力で固定し、バネのほうはバネが縮まないように筋力を出しています 。

ここで特に問題にしたいのは、日常的な姿勢の維持をどちらの「力」メインでやっているのかと言うことです。
うつむく姿勢

図2には椅子に座っている人を描いています。
図2のAは、背筋をまっすぐ伸ばして座っている人。
おそらく重心(赤▲)はお尻の下あたりにあると思います。

この人がうつむいた姿勢を取ったときの様子を比べてみます。
うつむく姿勢はパソコンや本を読んだり、スマホやゲームをしたりと、日常かなりの頻度で行っていると思います。
そのせいで、肩こりがひどくなっている人もいるのではないでしょうか。

図2のBは、うつむいた姿勢を筋力だけでやった状態です。
実際には、形ではなく体の使い方なので、図に表すのは難しいのですが、一例として見てください。
筋力だけで支えると、体の形(姿勢)を筋力でキープするため、重心(赤▲)の位置は頭が前に倒れた分、前のほうへ移動します。
感覚的には、この姿勢だと頭を足裏でも支えているような感じが出ると思います。

図2のCは、同じうつむいた姿勢を重さで支えた場合の絵です。
頭が前に出た重さを釣り合わせるために体が少し後ろへ倒れます。
重心(赤▲)の位置は、Aの図とあまり変わらないか、少し後ろへ行くかもしれません。
このときの首にかかってくる負荷が、テコの腕にかかってくる負荷と同じで 、頭の重さと体の重さが、丁度重心と重なる首の付け根あたりを支点にしてかかってきます。
こここそ、肩がこりやすい場所ですよね。
この場所には、折るような破壊的力が加わります。
長時間うつむく姿勢を続けるならば、やはり筋力を使って支えるほうがおすすめです。

筋力を使って支えていれば、もちろん疲労はしますが筋力を鍛える事にもなるので、いづれは長時間続けても平気に鍛えられてくるでしょう。
でも、重さで長時間支えていると、いづれ体の一部が壊れてつらい思いをすることになります。
疲労してくるとCのような姿勢になる事は多いと思いますが、その時には支え方を改めるか、休憩を取るようにして体を壊さないようにしてください。

2018/12/13作成(2021.09更正)