整体よもやま話

首スジのコリが目まいのサイン

めまいのサイン

目まいと言っても原因は様々。
平衡感覚をつかさどる三半規管の異常でも起きますし、低血圧(循環器系の異常)や薬の副作用によっても起こります。
また重篤なものでは、脳の病気もあります。
原因は色々考えられますが、このかたは首筋にコリが溜まってくると、決まって目まいや頭痛が起こる症状です。

このかたの目まいの始まりは十数年前からで、その頃から頻繁に目まいが起こるようになりました。
病院の検査では異常は見つからず、目まいが起きた時は治まるまで薬を飲んで対処しています。
あまり薬ばかりに頼りたくないと考えての来院です。

このかたの仕事は、文章を作ることが頻繁にあるそうで、かなり長時間パソコン作業をします。
その影響で、首筋に溜まったコリが次第に回復しなくなって来ると、目まいや頭痛になることがわかってきました。
首筋のコリは、時には右側だったり、時には左側だったりと決まっていません。
どの筋肉の緊張が取れなくなっているのか首筋を触診すると、どうやら首から肩甲骨に繋がっている肩甲挙筋と、首から肋骨に繋がっている斜角筋の一部に緊張が取れなくなる部分があるようです。
まずは、ろっ骨1番を下から支えるようにして手のひらでアプローチ。
やはり部分的に異常に重くなっており、バランスが傾いています。
ろっ骨の重くなっている部分でバランスを取って、しばらく緩むまで待つと、次第に重さは無くなり、斜角筋は緩み始めました。
肩甲挙筋は頸椎と肩甲骨それぞれからアプローチして、同様にゆるめます。
肩甲挙筋と斜角筋の緊張が取れてくると、首スジ全体も柔らかくなり、目まいや頭痛も解消します。
症状が出そうな気配がある時に施術すると、目まいの予防にもなっているようです。
目まいの頻度は、以前に比べて3分の1ぐらいにまで減りました。
年に数回の来院で予防・改善が保てていますが、残念なのは、完全な解消にまでは至っていない事です。
仕事が相当忙しくなると、次第に首筋にコリが溜まってくるようで、それが度を超すとコリが取れなくなり、めまいや頭痛に発展してしまうようです。
首は重たい頭を常に支えています。
支え方のコツは、筋肉の力で支えなことです。
首の筋肉に意識を置くと、筋肉の力で支えてしまいます。
すると、本来支えの支点が来るべき位置が体の外側へ移動してしまい、余計頭の重さが掛ってしまいます。
筋肉に意識を置かずに、骨に意識を置いて、骨で支えるようにイメージすると、上手く支えやすくなります(もちろん筋力は使っていますが上手な筋力の出し方に変わるので、頭の重さが軽くなります)。
仕事中の姿勢(体の使い方)などを変える事も必要で、目まい頭痛の再発防止のために練習するようアドバイスはしています。
また神経を使う仕事のようなので、精神的な緊張が増したときに、顎や首肩に力みが強く出すぎないように気を付けることも必要です。
力みの感覚は、それ自体が筋力で支えようとしている証拠なので、なるべく無くさなければいけません。

精神的な緊張時に、この方のように肩甲挙筋や斜角筋が強く緊張して、首に力みが出ることはよく起こる事です。
ただ、この緊張の度が過ぎると緊張にロックがかかり、筋肉の緊張が緩まなくなります。
精神的緊張で体に緊張反応が起きるのは、本能的な反応です。
なぜそれが良くないのかと言うと、ストレスを受けた時、体はストレスから逃げようと無意識に逃避反応を起こします。
その際、本能で後ろへ体を引こうとします。
その場から逃げようとしているわけです。
ところが、仕事ややらなきゃいけない事があると、逃げるわけにはいかない状況です。
逃げないようにその場に留まるには、逃げるのと逆の力を入れなければなりません。
ここで体を前に出そうとする力が働きます。
後ろに下がろうとしながら前に出ようとする力でその場に留まっている。
本来その場に留まるだけならこのような力は全然要らないのに。
まるで「強くアクセルを踏みながら強くブレーキを踏んでいる」のと同じ状態です。
この力の入れ方が、体には非常に良くなく、力みの元になっています。
短時間・短期間であればまだしも、長時間・長期間これが続くと、緊張が解けなくなり痛みや症状を出し始める事もあります。
一番簡単な解決策は、いっそ逃げる事。
仕事放棄ではありません。
もともと後ろに体が逃げようとしているので、前に出る力を抜いて後ろに下がってしまえば良いのです。
パソコン仕事であれば、上半身が起き上がると思います。
その瞬間たったそれだけの動作で力みはスッと消えます。
つまり少し休憩するってことです。
一番簡単で誰でもできる方法です。

2018/12/13作成(2021.09更正)