整体よもやま話

首を反らさなきゃつらくて眠れない

首の痛みと枕

体に痛みや緊張・違和感があると、快適な睡眠を邪魔してしまいます。
寝苦しかったり、特定の体勢で固まったように眠っていたり。
朝起きると逆に体が疲れていたり。
人生の内の三分の一は睡眠の時間です。
睡眠は身体を回復させ、又成長させる時間でもあります。
さて今回の話は、中学生の頃から慢性的に肩こりがひどい中年のかたの話。
来院された理由は、三日前から首の両側が痛くなり、急に首を動かした時や寝起きに特に強張って痛むそうです。

首が痛くなってきた経緯を聞きましたが、特に変わったことをしたわけでもなく、原因が分からないそうです。
首の痛みのため、寝るときに普通の枕の当て方では首がつらく、枕を首に当てるように(首が少し反るように)しないと寝れないそうです。
普通に考えると、かなり無理な姿勢のように思います。

かなり慢性化した肩こりがあるので、これが原因になっているのかも知れません。
この方が普段感じる肩こりは、首よりも下のどちらかと言うと背中、肩甲骨周りに強くコリを感じています。
肩こりがひどい時は、首の付け根(頸椎7番)の右側に「ピリッ」と した痛みが出て、そこを押すと強く痛むそうです。
そこで、首から背中周りの緊張をチェックして行くことにしました。

うつ伏せで背骨の左右を見て行くと、複数の緊張ポイントがあります。
それらの緊張は、規則性があまりない感じで発生しています。
背骨は緊張ポイントへ向けて歪むことが多いので、背骨が右へ行ったり左へ行ったり蛇行しています。
その中でも「胸椎3番」が右方向へ飛び出した状態が特に目立ちます。
胸椎には、棘突起と言う出っ張った骨が真ん中にあるのですが、それが右のほうへ引っ張られて固定されている状態です。
最も目立つ緊張(歪み)から緩めるのがセオリーなので、胸椎3番から緩めることにします。
うつ伏せで、胸椎3番の左右を挟むように両手でホールドし、緊張で傾いているポイントを探します。
傾いているポイントが見つかったので、そこを支えるようにしばらく保つと、次第に緩み始めました。
胸椎3番を右へ引っ張っている緊張を緩め、ある程度緩んできたので、さらにその周辺の他の緊張も同じように緩めていきます。
胸椎の棘突起を引っ張っていた筋肉ですが、背骨を支える多裂筋群だったのか、肩甲骨と繋がっている菱形筋だったのか、正確には判断出来ませんが、肩の前側もやや閉じた状態になっていた事を考えると、菱形筋だった可能性が高いように思います。
大体の範囲緩んでくると、おおきく歪んでいた胸椎の位置が、緊張から解放されて中央へ戻って来ました。
施術後は首がいくらか楽になったようです。
ですが、一回では完全とは行きませんでした。
その後もう一度同じ施術を行うと、枕も普通に出来るようになり、首の痛みや慢性肩コリも解消しました。

快適な睡眠を邪魔していた緊張や痛みが無くなれば、睡眠中の体の回復度が増します。
日中、少々無理を体に強いても、夜眠っているうちに回復できるサイクルが保たれることが健康を維持して行くうえで大事です。
ちょっと余談ですが、触診していて感じるのは、緊張している筋肉の中に感じる引っかかりのような重たい感覚です。
いつも不思議に思うのですが、どうしてこの引っかかりが自然に治らず残ってしまうのでしょう。
筋肉繊維も細胞ですし、代謝して入れ替わっているのに、まるで引っかかる状態が記憶されているかのように、引っかかりが消えることなく何年も残る事があります。
色々な運動や動きの中で、自然に治る事もと多いのだろうとは思っているのですが、その反面、ずっと治らず残り続けるものもある。
本当に不思議です。

2018/12/4作成(2021.09更新)