体の固い人は多いですね。
運動不足が原因?
中には、しっかり運動しているし、ストレッチもやっているのに、柔らかくならない人達がいます。
今回の話も、運動やストレッチをしっかりやっているのに、一向に柔らかくならないかたの話です。
40代男性です。
4年ほど前から、急に左内股の筋が突っ張って伸びなくなりました。
何か切っ掛けになるような、怪我や体のトラブルは、思い当たらないのか聞きました。
怪我などは無かったそうですが、その頃、腰痛があったのを思い出してくれました。
今現在は、腰痛は治っているそうです。
具体的に、どの動作で症状が出るのかを確認していきます。
足を広げてストレッチをしてもらうと、確かに左内股だけが突っ張って伸びないようです。
開脚しての前屈ストレッチです。
右の脚には変わった所は無さそうです。
普段の生活には、全く支障は無いそうで、気になるのは、こうやってストレッチをした時だけ。
4年間、痛み我慢して少しずつストレッチをして伸ばして来たそうです。
しかし一向に柔らかくなりません。
頑張ってストレッチし過ぎた後は、膝に嫌な違和感が出るようです。
内またの痛みは、どんな種類の痛みなのか聞いてみると、筋がピーンと張って「千切れそうな痛み」だそうです。
右脚側も、伸ばすとストレッチ痛はありますが、気持ちいい感じの痛みです。
左脚のような、千切れそうな痛みではありません。
伸びない筋肉自体が緊張しているのか、それとも他の場所の緊張が影響しているのか。
切り分けて行きます。
脚を広げたときに他の場所に痛みや違和感はないのか聞くと、左の股関節にちょっとした痛みがあるようです。
場所は、小殿筋や筋膜張筋が収まっている部分。
そこで、股関節の遊びを検査します。
仰向けで、大腿部を持ち上げて、股関節がニュートラルな位置になるように位置を調整します。
股関節を上下左右、水平垂直に正確に動かし、股関節の遊びがどの程度有るか検査すると、小殿筋や筋膜張筋方向への遊びが低下している事がわかりました。
これが内またの筋へ悪影響している可能性がありそうです。
股関節の緊張を取り、関節の遊びを回復させてみた所、左内股の緊張が即座に低下しました。
開脚ストレッチをやると、結構伸ばすことが出来るようになり、筋が千切れるような痛みが出なくなりました。
右脚同様の普通のストレッチ痛だけです。
施術結果から、内股の筋肉が悪いため伸びなかったのでは無かったようです。
股関節側面の遊びの低下(緊張による)によって、股関節が開くのを嫌がって、内股の筋緊張が高くなっていたのでしょう。
このような場合、痛む筋肉をいくらストレッチで伸ばしても、上手く伸びるようになりません。
必要が有って出ている緊張に対しては、無理やり伸ばそうと負荷をかけてしまうと、筋肉が傷み、逆に固くしてしまう事になります。
まじめに運動やストレッチなどの努力をしているにも関わらず、その効果(柔軟性や筋力増強)が出てこない時は、緊張のロックがどこかでこっそり掛かっているのかも知れません。
(2015年掲載)2021.09更正