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整体よもやま話

ジーンと時々手のしびれ

シビレと言っても様々で、人によってその意味や感じている感覚はかなり異なります。鎖骨下動脈
「電気が走るようにピリピリ痛む」
「感覚が麻痺して感じない」
「正座で足がジンジンする」
これらのどれも同じように「シビレ」と表現され安いのですが、それぞれ原因が違っている事が多いので区別して考えないといけません。
今回の話は、正座で足がしびれるのと同じ原理、つまり血流障害が原因だった手腕のシビレの方の話です。

この方は数か月前からシビレが一日に数回、肘から手の先にかけて「ジーン」とした感覚で起こります。シビレが起きても数分待つと自然に治まります。痛みは無く、皮膚の感覚も正常で握力の低下もありません。手の指を屈伸するとシビレの治りが早いそうです。
これらの情報を聞いた段階で、この方のシビレは血流障害と見て間違いないだろうと判断し施術をすすめることにしました。もし血流障害でなく神経の損傷による感覚低下だった場合、治る見込みが薄くなります。神経細胞は一度傷つくとその回復の悪さのために後遺症が残るためです。

さて、腕への血液供給の話ですが、腕への血液は鎖骨の下から脇の下を通る血管から供給されています。 血流障害が起きやすいポイントとしては脇の下や鎖骨部があげられます。その部分には、斜角筋、大胸筋、小胸筋、大円筋などの筋肉が付着していて、これらの筋肉に緊張のロックがかかり慢性疲労や過緊張が続くと、そこを走行している血管の流れを阻害します。筋肉は血管を通すための役目もあるので、その筋肉が緊張を続けると、悪影響は血管にも及ぶのです。また、神経はおおよそ血管と並走しており、血管から染み出た成分から栄養をもらっているので、血液供給が悪くなれば並走している神経もまた悪影響を受けます。
この方の場合も、やはり脇の下や鎖骨周辺に慢性疲労した筋肉が多く見られました。その筋自体が悪くなって緊張が解けない場合もありますが、悪い部分をかばって二次的に緊張している場合もあります。いずれにしても、最も緊張の高い部分か、押さえると痛みの強い部分から施術を行い随時緊張を解いて行く事になります。

この方はシビレが出ている側の斜角筋と呼ばれる首の側面の筋肉に主要原因がありました。この緊張によって、頸椎の重心が斜め前の位置から動かし辛くなっていて、自由な重心移動が出来なくなっていました。重心の移動が固定されれば、頭を楽に支えることは出来ません。常に力んだ力を首にかけ続けなければいけなくなります。この力みが周辺へも波及して、脇の下や胸の筋肉にも二次的な緊張を生み、慢性疲労へ進めてしまいます。
施術は緊張がロックしている斜角筋の緊張ポイントに行い、ゆっくり緩む方向へ向きを変えてやると、固定されていた重心軸は動き始め斜角筋は緩んで来ました。
この施術を数回行い斜角筋が十分緩んだ結果、腕への血流が良くなったのでしょう。慢性疲労も改善し、腕のシビレは出なくなりました。

座り仕事などで同じ姿勢が長かったり同じ作業を繰り返し続けていると、肩も凝ってきますが首もかなり疲労してきます。疲労がひどくなると、重心でバランスをとり支える能力が低下し、次第に首を支えることをしなくなります。するとバランスは保てず傾きますが、それを重さで釣り合わせて倒れないようにするため、支点が固定され常に同じ所に過剰な負荷が掛かり続けます。この間違った体の使い方に気付かず感覚が順応してしまうと、その結果、無理のかかった筋肉に異常が起き、緊張が解けなくなり、その後思わぬ症状が出ることになります。防ぐ方法は感覚が順応する前に気づくことで、その時に姿勢を変えるなり休憩するなりの回避策を取ることです。感覚が順応してしまうと、もうある程度悪化するまで気が付かなくなります。

(2018年7月加筆修正)2021.02更新