広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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消えない肩甲骨の痛み

肩甲骨

痛みの出かたは色々あります。
動かすと痛みが強く出るパターンや、ある特定の動きだけで痛むとか、あるいは動かさなくても痛むなど。
肩の後ろや背中、脇の後ろなどの肩甲骨周辺のエリアの痛みは、体を動かした時に痛むだけでなく、何もしていなくても嫌な痛みを出す事が結構多くあります。
今回の話も、肩甲骨の周辺に常に嫌な痛みが出てしまい、治らなくなってしまった人の話です。

この人は、3ヶ月前から左側の肩甲骨周辺の痛みが治らなくなりました。
痛みが出始めた切っ掛けは、普段やらない力仕事です。
最初は只の筋肉痛と思っていたそうです。
ですが、しばらく経っても一向に治る気配がない。
それでまずいと思って来院されたそうです。

先ずは正確な痛む場所の確認から始めます。
痛みは首筋の左側から下に降りて、肩甲骨の内側と横に広がり、左肩の方にも広がっています。
この範囲の筋肉で一番表面に有るのは、僧帽筋です。
首を支える筋肉には、背中や肩との繋がりがある物が多く有り、僧帽筋以外も含めて、広範囲にチェックします。
そうしないと、正確に何処が悪いのか判別できません。
肩甲骨の上角から頸椎へ繋がる肩甲挙筋や、肩甲骨内側から胸椎に向かう菱形筋なども、僧帽筋と重なっています。
これらの筋肉が原因の可能性も考えないといけません。

実は、実際に検査・施術していく時には、「何筋なのか?」と言うのはあまり重要視していません。
検査で引っかかった場所と深さを、逃がさないように緩めていくだけなので、それが何筋か分かったところであまり関係ありません。
ただ、頭の中に骨格と繋がる筋肉の解剖図が入っていると、イメージしやすく、緩ませるポイントを見つけやすくはなります。

さて、痛みが広がっている範囲を細かく検査していくと、肩関節、胸椎、頸椎の関節部分に、左後ろへ向かう緊張が出ていました。
それらが影響し合い、肩甲骨の痛みを作っている様子です。
切っ掛けとなったのは、久しぶりの力仕事なのでしょうか?
切っ掛けは正確には分かりませんが、何かが肩関節や胸椎や頸椎の関節に無理な力を働かせ(力んだ力の出し方が)、筋肉の制御を狂わし、緊張がロックして緩まなくなったのだと思います。
肩関節や肩甲骨、首の動きを使って施術をすすめます。
それぞれ緊張が緩みはじめ、次第に全体が緩んでくると、肩甲骨の痛みは無くなりました。

急に力仕事をして背中や肩が痛くなることはあっても、一週間もすれば大体は回復して来るものです。
ところが、何かの弾みで緊張がロックしてしまうと、この人のように、三ヶ月たっても回復しないと言う事が起こります。
慢性化する場合としない場合があるのはなぜなのか?何が違うのか?は、まだハッキリとは分かりません。
複数の小さな緊張が複合した時は、わりと慢性化の可能性が高くなるような気がします。

(2015年掲載)2022.04更新

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