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五十肩、四十肩!三十肩?

肩が痛くて上げられなくなる通称「五十肩」と言う症状。
40代~50代の人に多い肩の痛みの症状を指します。
医学的には肩関節周囲炎と言われますが、肩関節周りのどこかに炎症が起きていますって言うだけの意味なので、実際の痛みの理由には様々な原因があげられています。
急性の損傷、慢性的な小さな炎症、石灰沈着による炎症などが主に言われています。
腱板と言われる肩のインナーマッスル(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)や上腕二頭筋の腱、関節を包んでいる関節包などが炎症を起こすと言われています。

五十肩

一般的に年配の人に起きる症状と思われていますが、最近では30代の人にも発症が増えてきているようで、三十肩とも言われたりしているようです。
今回お話しする人も、30代前半の若い人で、まだ五十肩には早い年齢です。
炎症や石灰化、癒着などいくらかは有ったのだろうと思いますが、肩周辺に発生していた「緊張のロック」を一つずつ緩めて行くと、痛みが無くなりました。

5ヶ月続く肩の痛み

30代前半の女性です。
5ヶ月前に、理由もなく肩が痛くなったそうです。
最初は違和感程度だったのが、日増しに痛みは強くなり、自分で治そうと肩の運動をしているうちに、慢性化してしまったそうです。
肩の痛みだけではありませんが、痛くなると我慢して動かせば治ると信じている人が結構います。
この方法が必要なのは、ある特定の条件下だけで、それ以外のほとんどの場合で炎症や損傷を悪化させ、慢性化させる手助けになってしまいます。

触診と動作テストで緊張を探す

さて、痛む場所ですが、肩の前面と後面です。
施術の前に、腕を動かす動作テストをします。
腕を色々な方向に動かすと、肩の痛みは、前側に強く出ます。
痛みの強い場所、肩関節の前側を触診すると、上腕骨頭が前へ飛び出す方向に力が働いています。
肩関節の位置が偏っているので、痛みの原因になります。
肩甲骨の周辺も触診すると、ワキの下に緊張が出ています。
緊張の方向から、肩甲骨から上腕骨につながっている、肩甲下筋でしょう。
この筋肉が緊張すると、肩関節の上腕骨頭が内側に回旋し、肩が前に出たようになります。

移動する痛み

仰向けに寝てもらい、上腕骨頭を両手で上下から包み、支えます。
やはり肩関節部分のバランスが取れておらず、傾いています。
緊張を緩めるために、傾いているポイントで支え直します。
緩むまでしばらく待つと、肩関節の位置が変化してきます。
だいたい緩んだので、腕を動かして再テストをします。
すると、肩の前側は痛くないが、今度は後ろ側に痛みが現われました。
一番手の痛みが消えると、二番手の痛みが、表に現れて来ます。
肩関節の後ろの緊張を取ると、今度は肩甲骨に痛みが。
こんな感じで、一個消すと次の一個が現れるのを3回ぐらい繰り返すと、やっと肩の痛みはすべてなくなりました。
痛みが次々移動するので、広範囲に胸椎や肋骨からのアプローチも必要でした。

まとめ

これといった切っ掛けがなくても、気づかない間に、無理な肩の使い方やクセが積み重なるものです。
いつの間にか、肩を壊してしまっている。
若く、回復力が高い時には、症状は出ないかもしれません。
歳を取り、回復力が落ちると、損傷と修復のバランスが損傷側へ傾き、症状に現れてきます。
痛みが長く続けば、動かせない間に関節の癒着やカルシウム沈着、筋委縮などが起きます。
症状が進行すると、完全な状態には戻せなくなる確立が上がります。
回復力が落ちる原因は、加齢だけではないと思います。
五十肩の発症年齢が下がってきているのは、現代特有の生活習慣の中に、原因が潜んでいるのだと思います。
パソコン、スマートフォン、携帯ゲーム機など、昔は無かったものが誰でも持っている時代です。
どれも、体全体を使わなくても、手先だけで出来てしまうものばかり。
指先の動きであっても、肘、肩、背中、腰、脚へと繋げていく連携した動きが大事です.
手先だけで物事をやると、指や腕の上手な使い方が訓練されないのでしょう。
正しい体の使い方、自然で楽な体の使い方を覚えて、故障が出ないようにしたいものです。

(2018年7月加筆修正)2022.05更正

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