整体よもやま話

若い人でも五十肩

五十肩

五十肩と言うと、年配の人に起きる症状と思われていますが、若い方にも起こっているので、四十肩や三十肩と言われたりします。

30代女性の話です。
5ヶ月前に、理由もなく肩が痛くなりました。
最初は違和感程度だったのが、日増しに痛みは強くなりました。
自分で治そうと、肩の運動をしているうちに、慢性化してしまったそうです。

痛む場所は、肩の前面と後面。
施術の前に、腕を動かす動作テストをします。
腕を色々な方向に動かすと、肩の痛みは、前側に強く出ます。
痛みの強い場所、肩関節の前側を触診すると、上腕骨頭が前へ飛び出す方向に力が働いています。
肩関節の位置が偏っているので、痛みの原因になります。
肩甲骨の周辺も触診すると、ワキの下に緊張が出ています。
緊張の方向から、肩甲骨から上腕骨につながっている、肩甲下筋でしょう。
この筋肉が緊張すると、肩関節の上腕骨頭が内側に回旋し、肩が前に出たようになります。

仰向けに寝てもらい、上腕骨頭を両手で上下から包み、支えます。
やはり肩関節部分のバランスが取れておらず、傾いています。
緊張を緩めるために、傾いているポイントで支え直します。
緩むまでしばらく待つと、肩関節の位置が変化してきます。
だいたい緩んだので、腕を動かして再テストをします。
すると、肩の前側は痛くないが、今度は後ろ側に痛みが現われました。
一番手の痛みが消えると、二番手の痛みが、表に現れて来ます。
肩関節の後ろの緊張を取ると、今度は肩甲骨に痛みが。
こんな感じで、一個消すと次の一個が現れるのを3回ぐらい繰り返すと、やっと肩の痛みはすべてなくなりました。
痛みが次々移動するので、広範囲に胸椎や肋骨からのアプローチも必要でした。

これといった切っ掛けがなくても、気づかない間に、無理な肩の使い方やクセが積み重なるものです。
いつの間にか、肩を壊してしまっている。
若く、回復力が高い時には、症状は出ないかもしれません。
歳を取り、回復力が落ちると、損傷と修復のバランスが損傷側へ傾き、症状に現れてきます。
痛みが長く続けば、動かせない間に、関節の癒着やカルシウム沈着、筋委縮などが起きます。
完全な状態には、戻せなくなることもあります。
回復力が落ちる原因は、加齢だけではないと思います。
五十肩の発症年齢が下がってきているのは、現代特有の生活習慣の中に、原因が潜んでいるのだと思います。
パソコン、スマートフォン、携帯ゲーム機など、昔は無かったものが誰でも持っている時代です。
どれも、体全体を使わなくても、手先だけで出来てしまうものばかり。
指や腕の上手な使い方が訓練されないのでしょう。
正しい体の使い方覚えて、故障が出ないようにしたいものです。

(2018年7月加筆修正)2021.09更正