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曲げると痛む腰

曲げると痛む腰

腰痛の1つのパターンに、曲げ始めだけが痛く、ある程度曲げてしまうと痛まないと言うのがあります。
意外とよくあるパターンです。
体を動かす時は、倒れないようにバランスを取るための、重心の移動が自然と行われます。
重心の位置は、体勢に合わせて基本的には変わります。
この重心の位置と、悪い部分との位置関係によっては、一つの動作の中で、痛みが出る範囲と出ない範囲が明確にあらわれます。

60代の女性。
腰を曲げると、左の腰の付け根からお尻にかけて痛みがあります。
曲げ始めは痛いのですが、ある程度しっかり曲げてしまうと痛みは無くなります。
立ち姿を見ると、左の背中の中ほどと、仙骨の左側に、盛り上がりが見えます。
この盛り上がりの中のどこかに、悪い部分が隠れているようです。
まずは、仙骨左の盛り上がりから施術を行うことにしました。

仙骨と腰椎の境目に、左後方へ張り出す緊張があり、重心軸が固定されています。
この固定を外すために、緊張を緩めて行きます。
施術は痛む方を上にして、側臥位で行います。
腸骨のPSISから腰仙部に手のひらを当て、外向きに働いている緊張とつりあう方向(中へ納める方向)で支えるように把握します。
そのまま傾かないようにバランスを取りつつ、丁寧に緊張を除いていくと、10分ほどで固定された軸に動きが出始めました。
次第に、背中の左側の盛り上がりも消失して行きました。
もう一度立って、腰を曲げてもらうと、もう先ほどまでの痛みは無くなっていました。
念のために他のところもチェックしましたが、他に異常は無いようです。

わずか10分で直ってしまう1か所の歪み(緊張)でも、それが残ったままになると、つらい症状・痛みを作ってしまいます。
しかし、過剰に心配する必要はありません。
こういった歪みは、日常で頻繁に起きては治ってを繰り返しています。
ほとんどは、慢性化することなく、自然治癒しているはずです。
慢性化するにはそれなりに条件が必要でしょう。
間違った体の使い方や、クセの繰り返し、過剰なストレス、事故などの大きな力による受傷、後は運の良し悪しもあるかもしれません。
仕事中の間違った動作による影響は大きく、正しい動作よりも仕事効率を優先させてしまう事で、体に力みの入り続ける動作を常習化してしまうため、慢性化リスクが上がります。
一度身についたクセを直すのは大変です。
慢性化のリスクを避けるためにも、早めに悪い癖は直しましょう。

(2015年掲載)2021.09更正

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