力作業や大掃除などで「グキッ!」と腰を痛める。あるいは、何をしたわけでもないのに慢性的に腰が重だるく痛む。さらには、お尻から太もも、ふくらはぎにかけてズーンとした重さや神経痛のような違和感が走る。これらは日常生活を本当につらくさせますが、この時、腰の中では一体何が起きているのでしょうか。
当院がお体の不調を根本的に見ていくとき、ベースとなる「共通のメカニズム」と、実際の施術現場でのアプローチについて詳しく解説します。
腰にお悩みを抱えるとき、私たちはまず、急な動作や繰り返しの過負荷による「筋肉や組織へのかかったダイレクトな負担(ダメージ)」を考えなければいけません。目に見える皮膚の傷であれば誰もが慎重になりますが、表面からは見えない体内の出来事であるため、その負担を忘れて無理を続けてしまう人が意外と多いのです。
そして、痛みを長引かせるもう一つの大きな要素が「筋肉の過緊張(強張り・ロック)」です。
最初にできた負担部位をかばおうとして、周辺の筋肉が身構えるようにガチガチに固くなってしまいます。ところが、これ自体が実はかなり強い不調を引き起こします。そのせいで、
お体へのダイレクトな負担(1) + 筋肉の過緊張(3) = 痛み合計(4)
というような痛みの増幅(悪循環)が起きてしまいます。過緊張は慢性化のリスクを高めるため、プロの手で積極的に緩め、お体が落ち着く環境を整えることが大切です。
痛いからと自分で揉んだりストレッチをすると、かえって負担を広げてしまいがちです。無理に伸ばさなくても、楽な姿勢で少なくとも30分ほどジッとしているだけで緊張は自然と和らぎます。
腰の付け根に強い緊張があると、その響きがお尻や脚に広がって(放散する感覚として)感じられることがよくあります。
このとき、「神経そのものが悪さをしているのでは?」と思ってしまいがちですが、実は神経は正常に機能しており、筋肉から発せられた危険信号を正しく脳に伝えているだけのケースが多く見られます。
人間の脳は、体内の深い部分でおきている痛みの出所を大雑把にしか把握できない特性があります。そのため、腰の付け根の緊張であっても、脳が「広範囲がビリビリ響いている」と勘違いしてしまうのです。
また、腰ではなく、お尻の筋肉(中殿筋や梨状筋など)の中に緊張がロックしてしまい、それが太もも裏やふくらはぎへと響きを作っているパターンもあります。
お体を細かく触診・検査していくと、痛みの出ている場所と、本当の原因(緊張のロック)がズレていることが多々あります。
・「2番手の不調」が顔を出すパターン
左右両方の腰に負担があっても、脳はより強く痛む「1番手」の場所だけを強調して認識します。そのため、施術によって1番手の緊張が緩んで楽になると、それまで隠れていた「2番手の違和感」が反対側に顔を出すことがあります。これも順調にお体が変化しているサインです。
・無症状の「反対側の腰」に潜む原因
「左側の腰やお尻が痛む」というお客様で、どれだけ左側を緩めてもスッキリしないケースがありました。詳しく全身のバランスを調べると、実は何も症状を感じていない「右側の腰の深い部分」に強い緊張が潜んでいました。この隠れた緊張が骨盤や背骨を傾かせ、結果として左側にばかり過度な負荷をかける姿勢を作っていたのです。
右側の緊張のロックを外すことで、ようやく左側の不調もスッキリと落ち着きました。
一カ所悪いところが出来ると、体はそれを無意識にかばって隠そうとします。うまく隠せている間は自覚症状が出ませんが、かばい続けた結果、別の場所に新たな緊張を生み出していきます(緊張の連鎖)。
疲労やストレスの蓄積、日常の間違った体の使い方のクセによってお体の許容範囲が小さくなったとき、一番負荷のかかっている場所に「ぎっくり腰」や「長引く重だるさ」として症状が現れます。
「些細な動作でグキッとなってしまった」「どこに行っても腰の重さが抜けない」とお悩みの方は、ご自身で無理に動かそうとせず、お一人おひとりの体に隠れた「緊張の連鎖」を丁寧に紐解く当院へご相談ください。
広島市安佐南区長束 整体の安穏亭