整体よもやま話

体験!体を軽く操るコツ

身体を軽やかに操る

今回は体を「軽く」操る感覚を簡単に体験できる方法を紹介します。

軽くと言っても体重が本当に減るわけではありません。
 自分自身の体の中心を変えることで、より効率的にバランスよく動くことができる。
体重は変わらなくても、軽くなったように体感的には感じます。
 歩く時や階段や坂道を登る時に試してもらうと良いと思います。
どれぐらい軽く感じるのか、その軽さを実感しやすいので。
これを試すには、どなたか手伝ってもらえる人が一人いたほうが良いです。
それではその方法を書きます。

どなたかにあなたの後ろに立ってもらって、あなたの腰のあたりへ人差し指を軽く当ててもらいます。
指をあてる人は、指で強く押したりせずに、触れるぐらいの軽さで当てておくだけにしてください。
強く押すと逆の作用が起きるので、力加減は注意してください。
指を当ててもらったままで、あなたはいつもどおり歩いたり、階段や坂道を登ってみてください。
指を当てている人は、指先が触れた状態を保つよう、上手く付いていってください。
どうでしょうか?
いつもより体が軽い感じで歩けませんか?
これがわかりにくい方は、歩いている途中でパッと指を離してもらってください。
すると、突然体が重くなったように感じると思います。
重くなるほうが感じやすいので、分かると思います。
この重い状態がいつものあなたの動き方・歩き方ってことです。
もしこの方法で全然重さの変化を感じない人は、普段から上手に体を操って歩いている人なので、ここから先は読む必要はありません。
それでは重くなった人のために、この原理を下の図を使って少し解説したいと思います。

体を軽く操る

図を見てください。
図A、Bは人が前に向かって歩いている絵です。
図Aは重心が少し後ろによっているのを表しています。
図Bは重心が少し前によっているのを表します。
歩いたり階段や坂道を登る時。進む方向は前ですから、本来であれば重心はすこし前によらなければいけません。
重心を今から自分が進みたい位置、つまり前に移動させることで、足が自然と前に進み、それと同時に体全体が前に移動します。
これが「歩行」の原理です。
上手く歩けば、地面を蹴る必要もありません。
ところがわりと多くの方が、前に歩く時に自分の重心を後ろへ引いて歩いています。
それでも歩けてしまうのですが、この場合は地面を後ろに蹴る、後ろに押す力で体を前に移動させているので、あまり楽な歩き方とは言えません。
前に歩く時の原則の、真逆の動きになってしまっています。
前に楽に進むには、自分の重心を素直に前へ運んでいくのが一番楽です。
図Aは、まるで何かを引きずって歩いているようには見えませんか?
なんだか重そうな感じでしょ。
この重心を後ろに位置させている歩き方は、本来は後ろ歩きの時の重心移動になります。
後ろ歩きで後ろへ歩くときは、重心を後ろへ移動させれば良く、つまり逃げるときの後ずさりですね。
重心を前に出すのが苦手な人はいますが、後ろへ出すのが苦手な人はほとんどいません。
みんな後ろへ進む(逃げる)のは上手ですよ。
重心を後ろにしながら前に歩くのは、何かの理由で前には進みたくない(逃げ腰)。
けれども前に進まなきゃいけない。
そんな気持ちの葛藤を動きで表しています。
体が重く感じるはずです。
そこで、後ろになっている重心を強制的に前へ出してやれば、自然な理にかなった歩き方が出来るようになり、体が軽くなるというわけです。
そのために指を腰に当ててもらうのです。
人に軽く腰を触れられていると、人は反射的にその指から逃げようとします。
ほんのわずかな動きなのですが、その逃避反射によって、後ろにあった重心が少し前に移動します。
もし指を当てる人が強く押し過ぎると、大きく逃げすぎて指が離れてしまい、効果が出ないか、逆に押し返して来て、もっと重心が後ろに下がってしまい、逆効果です。
指先を「当てる」って感じが一番いい触れ加減です。
それを表しているのが図Bです。
特に階段の登りはわかりやすいと思います。
すごく上るのが楽になりますから。
この差を感じない人は、普段から重心コントロール上手くされているのか、逆にどこかに痛みや不具合があって重心を移動できないのかのどちらかでしょう。
人によっては、腰よりも背中に当ててもらったほうがより軽く感じる場合もあります。
色々試してみてください。
練習して指を当てても離しても感覚に差がなくなったら、上手に重心を操れるようになったってことですね。
身体を壊さない自然の理にかなった動きの根本原則です。

2016年掲載(2021年09更正)