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整体コラム

関節をボキッと鳴らさないで!

関節ボキッ! 関節を鳴らさない
整体やカイロプラクティックと言えばこのイメージが未だに強いのではないでしょうか。
関節をねじって鳴らす例のやつです。
私も元はカイロプラクティックの出身です。 関節を鳴らす事についての良し悪しについては、当時から考えてきたのですが、今現在のところ鳴らさない方がいいだろうと考えています。
ここでは、その理由をいくつか説明していきます。

関節が鳴る原理でメジャーなのは、キャビテーション説です。
この説は、関節が鳴る時に関節内部の液体中に小さな気泡が生じ、それが弾けて音が鳴るという説です。
気泡がはじける際に激しい衝撃波が生じるため、関節が破壊されると言われています。 そうなら確かにマズそうですね。

今度は、音が鳴る時の関節周囲の筋や靭帯の状態を考えてみます。
ボキッと鳴らすときには、関節をねじったり引っ張ったりして力を加えます。このどちらも関節面が離開する力が働きます。
離開するとは、関節の骨と骨が離れて行こうとする動き、つまり脱臼する方向と同じです。
関節が離れないようにつないでいるのは、骨ではなく筋肉や靭帯です。
それらの組織に瞬間的に大きな力が加わり、破壊されていく可能性が考えられます。

次は、動きの学習という面から考えてみます。
骨と骨が向かい合っているのが関節です。それをつなぎとめているのが、筋肉やじん帯であることは、先にも述べました。
このような構造の関節に力や重さがかかったり、動かしたりすれば、普通に考えれば簡単に関節が外れてしまいます。
しかし、実際には関節は、かなり大きな力や動きに耐える事が出来ます。
それは、関節が外れてしまうような外向きの力がかかりにくいように、他の関節や体の位置、重心の移動などによって、関節にかかる力を回転させるようコントロールしているからです。
しかし、関節を鳴らすときの動きは、あえて関節が外れる方向に力をかけることになります。
自分で鳴らせる方は、その時に普段とは違う力んだ力を関節に加えているのを感じると思います。
この動きを日常的に反復させていると、次第に体がこの動きを覚えてしまい、本来の正しい動きが出来なくなり、普段の何気ない動作でさえも、関節に負荷を与えるようになってしまいます。

筋肉には防御用の反射機能があり、壊れそうな大きな力が働きそうになると、力を抜いてしまう反応を起こします。
関節を慣らすと、この反射反応によって、周囲の筋肉が弛緩すると言われています。
この反射が出れば、確かにコリが一気にほぐれるような感じにはなるのですが、一時的な反射反応のため、時間がたつとまた緊張 を取り戻してしまいます。
そのため、自分で鳴らせる人は、日に何度も鳴らすようなボキボキ依存症になってしまいます。
当院の患者にも、学生のころから腰、首と自分で鳴らすくせがつき、十数年毎日何度も鳴らしてきた人がいます。
当初は体になんの異常もなかったのですが、そのうち鳴らさないとスッキリしなくなり、鳴らし方もどんどんエスカレートして行きました。
そして次第に首や腰にこわばりを感じるようになり、慢性的な首の痛みと腰痛に悩まされることになってしまいました。
この方には、関節を鳴らすことを一切禁じました。 そうやって施術を行っていくことで、ほぼ痛みは無くなり、鳴らすくせも無くなっていきました。
私自身も昔は慢性腰痛があり、自分で毎日鳴らしていましたが、やはり同じような経過をたどりました。
くせになっている方は、鳴らすのを我慢するのは大変かもしれませんが、関節を鳴らす事のリスクを知ってもらえれば、それがいかに怖いことかわかってもらえると思います。
2017.10.11