広島市安佐南区長束3-11-34 TEL080-1648-6624
整体の安穏亭
トップ ご利用案内 予約状況表 メール
施術法 質問回答集 整体コラム 本棚
自己紹介 リンク集 ブログ 講習・教室
整体コラム

筋緊張から見る!異常箇所を直す方法

前記事筋緊張から見る!原因箇所の異常から今回はその治療法についていくつか考察していきます。
背骨イラスト図の説明は、前回の記事を参照ください。

まずは異常箇所周辺におきる廃用性筋萎縮について少し説明しておきます。
私たちの手足や体幹の筋肉は日常生活のなかで絶えず動かされその機能を維持しています。これがひとたび動かされなくなると、急速にその機能は衰え筋肉組織は退化し筋力は低下、関節の動きも固くなっていきます。
そのスピードは思った以上に速く、1週間で元の約70%に、2週間後約50%に、1ヵ月後約25%に萎縮すると言われています。
関節を正常に治したとしても、その影響により廃用性萎縮が起きている筋肉がすぐには正常に働き始めることはありません。
これらの筋肉が正常に回復するまでにはおおよそ3ヶ月は必要で、その間は再発に注意しながら上手に体を動かしていく必要があります。

さて、①の「短縮部」ですが、
どんな方法でも良いので、短縮部が出している力(緊張)をゆるめて正常にさせることが出来れば良いわけです。
ではその方法をいくつか考えてみたいと思います。

1,運動療法。
自分で運動して①の短縮部が動くようになればいいのですが、①の緊張をゆるめるには☆の部分に重心が移動しなければいけません。しかし今の状態では、重心は反対側の過労部のほうで固定されているため関節は正常な動きを起こせず、無理に動かしても別の関節が動くだけで改善は見込めません。
では①の短縮部の緊張を極力低下させながら運動する方法があれば上手く行きそうです。
そこで「相反抑制」を利用します。
相反抑制とは、ある筋が収縮する時にその筋の拮抗筋が抑制されることを言います。
例えば膝を伸ばす時、太ももの前面の筋が収縮しますが、その時同時に拮抗筋である太ももの後面の筋(ハムストリング)は抑制がかかり弛緩し、この弛緩は反射によって起こるため自分の意思とは関係なく起こります。
これを利用して、本人に過労部に力を入れてもらい、それに対して少し抵抗を加えるアイソメトリック収縮を利用することが出来ます。
抵抗を与える量を動きが止まってしまわない程度にすると、抵抗されながらもゆっくり短縮部が伸びる動きになります。
この時①には相反抑制がかかっているので、緊張が減少し正常な関節の動作が起きやすくなります。
簡単そうなのですが、実際は術者と患者双方が上手に動きと力加減をコントロールしないとうまくいきません。
不用意に力んでしまうタイプの方には難しくなりますが、うまくできるなら患部に触る必要も無く効果を出すことができるでしょう。
また動きを工夫すれば自分ひとりでも出来るため、セルフケアとして利用することも出来ます。

2,術者が動かす方法
今度は患者は動かずに術者が他動的に動かす方法を考えます。
動かす方向は短縮部①を伸ばす方向ですが、ただ伸ばしただけでは①の緊張に抵抗されます。
そこで、過部の抵抗を感じた時点でそれ以上抵抗が強くも弱くもならない釣り合った状態にし、その部分へ重心を移動させていく事で緊張の向きを変えてゆるめる方法を考えました。
これは「集心法(しゅうしんほう)」と名付けた安穏亭の基本手技になります。
術者自身に特殊な動きが要求されるので、訓練を積んでいない素人の方には難しく、セルフケアには向かないかもしれません。
ただコツさえ掴めば力は必要なく、力の弱い方でも施術可能です。
詳細は中心軸のズレを直す軌道(集心法)を御覧ください。

3,逃避反射を利用する
人の体には多くの反射がプログラムされています。
反射とは本人の意識には無関係におきる動きで、この動きと意識された動きの合成で体を動かしています。
関節のコントロールの異常は意識される動きのほうに強く関わっています。
反射の動きは覚えなくとも元々体に備わっている動きなので、意識的な動きに比べてとても理にかなった正しい動きを起こします。
そこで反射の動きのみを患部に起こせば、正常な回復を導くことが出来ます。
図Cの①の反対側にそっと手を触れます。
患者には意識的な動きをしないように脱力してもらいます。
手で強く押してしまうと、患者は意識の動きで反発しようと力を入れてくるので、押さないように触れるだけにします。
すると患部では反射的に触れられた場所から逃げようとする動きが起こり、過部①は弛緩、反対側は収縮して、理想的な軌道を描きつつ正常な位置へ回復します。
昔から言われる「手あて」なのかもしれません。

4,脳(心理面)から
関節のコントロールの異常は、意識される動きのほうに強く関わっています。
意識、つまり自分自身のことですが、大脳で考えている自分という事です。
それとは別にもっと原始的な脳、無意識反射に関わる部分も自分です。
人には沢山のストレスがいつもかかっています。
原始的な部分にかかるストレスは反射的に正しく回避出来やすいのですが、意識部分にかかるストレスは社会通年などにより正しく回避できず、無理してしまうことがよくあります。
その影響が体への意識的な動きの乱れを生み、関節のコントロール異常へと繋がることがあります。
痛みに対する過剰な不安、症状に対する間違った知識、日常の過剰なストレスなどによる悪影響です。
そこでその方が抱えている日常での過剰なストレスを、なるべく減らせるようアドバイスし、そして痛みとは何なのか、痛む場所で何が起こっているのか、どうなれば回復するのかなどの正しい知識を指導することで余計な不安を減らし、回復を促すことが出来ると思います。

5,局所麻酔による
①に局所麻酔を打つ方法も考えられます。
知覚神経、運動神経を麻痺させておけば、麻酔が効いているあいだは働きを抑えることができます。
急性の時などはこの方法が最も効果的かもしれません。
その状態で軽い運動やストレッチを行い、正しい動きを回復させればいいと思います。
但しこの方法は医者しか出来ません。

6,微細な痛みを使う
3の逃避反射と同じなのですが、触れる感覚を使うのではなくハリを使って表面にチクっとした痛みを与え、それにより反射を起こす方法も考えられます。
通常、図Cの場合は左側に痛みを訴えることが多いので、最も痛む場所(ツボ)の皮膚にハリを刺すことで逃避反射を起こし回復させる方法です。
鍼灸で使う長いハリを使わなくても、薬局などで売っている短い針の出たエレキバンのようなものでも効果はあります。
また痛む場所の皮膚上に圧痛点(押すと過敏に痛む場所)が出来ている場合は、ここに何かの粒でも張っておけば、圧痛点が常時刺激され同様の効果が期待できます。
体の動きの連動性をうまく利用すれば、別の場所の圧痛点を刺激することでも同様の効果を起こすことが出来ます。
例えば腰の痛みに足の指の圧痛点など。

他にもアイデアしだいで色々な方法が考えられるかもしれません。
臨床では複数の短縮部①が同時発生し、それらが組み合わさることで分析しにくい複雑な状態を作ってしまいます。
それを分析することが一番最初にするべきことです。
(2018年8月加筆修正)