トップ 利用案内 予約状況 メール
施術法 質問回答 よもやま 本棚
自己紹介 リンク集 ブログ 講習教室

整体よもやま話

頸椎(のど側)癒着から腕のシビレ

この方は、約7か月前から左上半身にシビレ感が出るようになりました。肩のシビレ
発症は背中を痛めた時に、とある治療院で治療を受けてからだそうです。その後、しびれの範囲は少しずつ小さくなったようですが、現在も左肩周辺に残っています。
しびれは常時あるわけではなく、腕を突いたり、自転車の運転時などに何かの拍子で急に出るようで、ストレッチすると治るそうです。そのため、持続時間は数秒で発生頻度は1日に数回程です。
そのほかには、左首筋にツッパリ感があるのと歯ぎしりとベロの脱力が上手くできない感じがあるそうです。

施術の前に色々とチェックをするのですが、どうもその場でしびれの症状が再現しません。どんな施術が原因で発生したのか?、そもそも原因は別にあったのかもしれませんし、そこら辺は不明です。
チェックの中で見つかったのは左肩周辺(上腕骨及ぼ肩甲骨と鎖骨や上部肋骨を含む領域)の複数の筋肉の緊張。それと頸椎2,3番の左への突出と左首筋の緊張。さらに頸椎一番の前面(のど側)右寄りの緊張。
頸椎の左への突出はご本人も自覚があるようで、今回の症状が出る前からの状態かもしれません。

施術は週に一回ほどのペースで行い、最初の3回はチェックで見つかった部位の筋緊張を緩めることに重点を置きました。しかし、筋緊張のロック解除が順調に進み、筋緊張エリアが減少しているにもかかわらず、しびれの発生に大きな変化が出ません。また、一時的にシビレ感が増した時期もありました。

緊張のロックは主に筋肉によって作られますが、筋肉のロックが長く続いたり、組織損傷の回復が悪いと次第に筋膜組織などに癒着が発生します。この癒着も緊張ロックの原因になりますが、筋肉の緊張と重なっていると先に筋肉のロックを取らないと癒着を取ることが出来ません。
この方も筋肉のロックがおおよそ取れてくると、その下にまだ癒着による緊張ロックがあることが見えてきました。その場所は、頸椎一番の前方(のど側)、右後頭部からのどへ向けての斜めの癒着緊張でした。
4回目の施術からは、この癒着の可能性を説明し、施術を進めていくことにしました。

癒着緊張の場合、筋の緊張と違い緊張の方向が四方八方へ向かっており、解除するのも手間と時間がかかるのですが、一番のネックは一度取っても再癒着で5~6割は戻ってしまうことです。ただ幸いにもこの方の場合、わりと再癒着が少なく順調に回復が進みました。
4回目の施術後は、先ず首が楽になり始めましたが、まだしびれは時々出ます。癒着を緩めると頸椎の左突出が減少するのですが、一週間後にはまた元に戻っています。再癒着によって頸椎左突出が現れる関係のようです。
それが7回目の施術後からは、しびれの顕著な減少が始まり、頸椎左突出の戻りも小さくなりました。
その後数回の施術を経て、やっと左腕のシビレも改善しました。
その後もご本人が骨盤周辺のゆがみや下肢の緊張、背中の硬さなど、他の気になるところも改善したいと希望があるので、それらの施術を継続していますが、左腕の状態は良好のようで、頸椎に再融着の心配はもうないと判断しています。

なかなか改善の兆しの現れない症例の為、ここには書ききれていませんが随分試行錯誤をしましたが、なんとか改善までこぎつけてホッとしました。
癒着が原因の場合、完全に癒着を取り除けるのかと言われると答えはノーです。どんなに頑張っても必ず少しは残ります。傷跡のようなものです。
例えば特別な運動や身体感覚が必要な人にとっては、些細な引っ掛かりでもポテンシャルに影響するかもしれません。ですが、ほとんどの人には当てはまらないと思いますので、日常の生活に支障をきたさないレベルであれば全く問題はありません。
特に若いスポーツをやっている方たちには必ず言うのですが、とにかくケガをしない事。けがをするような練習方法をとらない事。治るたびに強くなるなんて言うのは都市伝説です。ケガをするたびにせっかく100点だった体が少しずつ削られて90点→80点→と終いには使い物にならないところまで点数落ちちゃいますよって。

以上

2021/1/11作成