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整体コラム

筋肉の緊張がゆるむ謎

 施術の中で関節の動き・筋肉の状態を触診していると、どうにも伸びなくなった部分が筋肉の中に見つかる事があります。
それを伸ばそうとすると、まるで鉤状(かぎじょう)に曲がった何かが引っかかっていて、いくら伸ばそうと引っ張ってみても鉤が食い込んで引っ張ることが出来ない!と言う印象を受けます(図A)
筋肉の緩む原理
実際に頑張って引いていみたところで、筋肉の緊張は増すばかり。伸びる気配は出ません。こんな時、鉤が引っかかった感じを保ちつつ鉤が抜ける方向へ動きを足すと(図B)、まるで刺さっていた鉤が抜けたかのように、伸びなかった筋肉がスーッとゆるんで動いて来るのです。
この動きでなぜゆるむのか。その正確な理由は正直分かりませんが、結果としてそうなるので、それを施術に利用してきました。

今回はなぜ緊張がゆるむのかをちょっと考えてみようと思います。
「筋の緊張が伸ばせない」と言う状態をもう少し大きな視野で見ると、立っている人を引っ張る時に置き換えることが出来ると思います。
立っている人を普通に引っ張っても、相手は抵抗して簡単には引き寄せられません。引っ張られないように足元を地面に踏ん張って、引っ張られる力に抵抗します(図C)
人を引っ張る時の抵抗
この状態もちょうど鉤が地面に食い込んで力を出している形になります。しかし、ここにもう一つ鉤が抜ける方向への動きを追加させると、人は抵抗することが出来ずに浮き上がり引き寄せることが出来ます(図D)
人の腕を引っ張る時、腕で引っ張り返されているのだと思いがちですが、本当は腕ではなく足が地面に対して食い込む部分を引っ張り返す動きの源として使っています。
なので食い込めないようにすると、力を出すことが出来なくなります。
この動きは一見簡単そうに見えますが実現するのは感覚的に難しく、相当稽古しないと出来ない動きです。しかし理屈はとても簡単なので、誰でも理解できると思います。

人が力を出すために踏ん張っている、これと同じ状態が筋肉の繊維の中を拡大していくと見ることが出来ます。
筋肉が細い繊維の束で出来ていることはご存知だと思いますが、その繊維を細かく見ていくとミオシンとアクチンと言う2種類の繊維が現れます。
筋肉はこの2種類の繊維が接触しスライドすることで力を出すこと(伸縮)が出来ます。
筋肉がゆるんでいるときは、2種類の繊維は図Eのように離れた状態と思ってください。
筋原線維
力が発生する時は、図Fの様に2種類の繊維の間に橋が繋がります。
この橋が繋がると筋肉には張力が発生し、さらにこの橋が首を振るように動くと筋肉が収縮力を発生します。
もしかすると、筋肉の中のゆるむことが出来ず不自然に緊張が持続する部分は、なぜか図Fの状態で止まってしまっているのかも知れません。
それを引っ張っても抵抗する力を増えるだけですが、鉤(橋)が外れる方向に動かせば立ってる人を引っ張る時と同じように簡単に引き寄せることが出来るのかもしれません。
正直、ミオシンやアクチンの動きを証明出来ないので只の想像でしかないのですが、こう考えると現象と理論がいくらか一致するように思います。

ここまでのゆるめる動きで重要なのは、単純に鉤が抜ける方向だけに動かしても、動きが逃げてしまって鉤は根けないと言う事です。
鉤を抜くには、まず鉤が少し食い込む状態を作って鉤まで動きが伝わるようにしなければいけません。その状態を保ちつつ別方向から鍵を抜く動きを加えるのです。
その動き「集心法」の具体的な練習方法などはまた別の項に書いてみたいと思います。
2018.11.30作成