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整体コラム

脳の入出力

の話です。
誰の頭の中にもあり、そんなに大きくないのに非常に高性能で、どんなコンピューターもかないません。
脳の機能を簡単に言うと、「動かす」です。
これを実現する為に、脳へはたくさんの情報が入力されています。
脳は入力された情報を処理して出力を返します。
この出力は、「体を動かす」ことはもちろん、「内蔵を動かす」こと、「考える」こと(これは脳自身を動かしている事)に使われます。
 
脳への入力とは「感覚」です。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの五感や、内臓感覚(空腹、渇き、吐き気、内臓痛)などがそうです。
また、目を閉じていても手足や関節の動きがわかりますね。
これは関節の角度や動きを感じる感覚器や、筋肉の中の筋や腱の伸縮を感知している感覚器(筋紡錘、腱紡錘)があるためです。
自分の知らないところでも、いろんな感覚が脳へは入力されています。脳の図
脳は 体の位置、手足の動き、内臓の働きを上手に調整するよう命令を出し、また気分や意識、覚醒レベルの調整も行います。
出力に使われているのが、神経系と内分泌系の二つの系です。
神経系は、運動神経や自律神経を使って命令を伝え、内分泌系はホルモンを使って命令を伝えています。
こうして脳は、入力と出力を繰り返しながら、体の状態をうまくコントロールしています。
でも、あまりにも強烈な入力や多すぎる入力があるとどうなるでしょう?
現代は情報があふれ返り、ストレス要因も沢山あり、落ち着いてゆっくりすごす時間もなくなっているように思います。
こういった体の外からの過剰な入力が続くと、脳は外からの入力を処理する為に、体の内部の感覚を切り捨てはじめるようです。
外ばっかり気にしていると、だんだん自分の体の事に鈍くなるようで・・
例えば運動の感覚が鈍くなると
・まっすぐ立ってるつもりでも、傾いてしまう。
(体のゆがみですね)
・体に無駄な力が入っているのに気づかない。
(力が抜けない人って、結構います)
・肩や、背中の疲労に気づくのが遅くなる。
(早く気づけば回避できるのですが、こりやすい人なんかそうですね)
・柔軟な体の動かし方が出来なくなる。
(ロボットみたいなぎこちない動きになってますね)

内蔵の感覚が鈍くなると
・十分食べたのに、満腹感を感じない。
(この逆もあります)
・体に必要なものを食べたいと感じる能力が落ちる。
(敏感だったら、体に足りない栄養素を含んだ食べ物を、自然と欲しくなります)

鈍くなった感覚では、体を上手に使うことが出来なくなってしまいます。
すると体には無理がたまって来ます。
内蔵が弱ったり、肩や腰にコリが出たり、関節に痛みが出たり。
するとこれらをかばって、また違うところに無理がかかって来ます。
体内感覚もさらに鈍くなってしまい、悪循環が繰り返されていくようです。
鈍くなった感覚のままでは、例えば「背筋を伸ばして座ったほうが楽なんですよ」とアドバイスしても、本人は上手に背筋を伸ばすことが出来ないので、「余計に疲れるんですよね」と言います。
こんな場合、まずは鈍くなってしまった感覚器を目覚めさせることが必要です。
感覚器は筋肉や関節の中にも沢山あるので、これらを利用して体のコントロールを良い方向へ変えていくことが出来ます。
鍼灸、マッサージなども、手や鍼による刺激で脳を介して体を変化させているのだと思います。
凝って硬くなったところにそっと手を当てておくと、上手くすればコリが緩んできます。
強くもまれるのが好で、「力を込めてしっかりもまないと効かない」と思っている人には不思議かもしれません。
でも、手を当てると一体どれくらい多くの情報が入力されているのか。
手からの圧力、温度、振動やそれらの時間的変動などなど、かなり多くの情報が入力されているのですから、それに体が反応してコリが緩んでも何の不思議も無いと思います。
強くないと効かないと言うのは、まさに感覚が鈍くなってしまっている証拠ですね。
(強い力を患部にぶつけて、更に破壊する事で治癒を促進する考えもあるので、強い力を加えることが全て駄目だとは言いませんが、体への負担も考える必要があります。)
 
以前の記事「老化よ吹っ飛べ」の最後でも書きましたが、歳を取るほど自分の体に耳を傾け、体内感覚を磨き、効率の良い、洗練された動き、立ち居振る舞いが出来るようにならなければ行けないのでしょう。
若い時と同じような、体力に任せた無駄の多い体の使い方では疲れてしまいますから。
あと、たまには静かな場所で何も考えずにのんびりすごせる時間を持ちたいですね。
(2016年7月更新)