広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

TOP整体よもやま話

転んで膝を打撲して脚がふらつく

膝がふらふら

膝に激しい痛みがあるわけではありません。
ただ力が入らず、脚がふらつく。
そんなかたの話です。

80代の男性。
始まりは、4か月前。
転んで膝を打撲してからです。
それから脚に力が入らなくなり、ふらつくようになりました。
転倒したので、病院での検査もしています。
検査結果は、特に異常なし。

動作テストをします。
つま先立ちをやってもらうと、上手く出来ません。
ふらふらしてしまいます。
年齢的なものもあるかもしれませんが。
痛みは無いのか聞くと、膝の皿の下に、ピリッと痛みが走る事があるそうです。
どんな体勢で転んだのか?
細かいことは覚えていないそうですが、膝の皿の下を打ったのは間違いないと言います。
打撲から4ヶ月。
打撲による損傷は、もう治っているのですが、太ももの筋肉は明らかに衰えています。
整形外科で筋肉を鍛えるよう言われ、ウォーキング・開脚器具を使ってのトレーニングを自宅でしているようですが、あまり効果は出ていないと言います。
最初、打撲した膝に異常があるのかと思ったのですが、歩く姿を見ると、痛めた側の腰をかばっているように見えます。
しかし、腰には痛みは無いと言います。
広範囲にの触診や動作テストを行いながら、異常が現れている場所を探すと、腰部・でん部・ももの前後ろ・足首に異常な緊張があります。

体の軸のズレ

それぞれの場所に、体の後方へ向かう不自然な緊張が発生しています。
図のように、本来まっすぐ立った状態では、体の中心周辺を動いているはずの重心ラインが、体の後面へ移動し、そこで固定気味になってしいます。
施術では、足首、モモ、臀部、腰にある緊張を各々解除して行きます。
例えば、太モモであれば、仰向けで太ももを持ち上げ、支えるように抱えます。
緊張しているとその方向へ傾いて行くので、傾かないように支えの位置を変化。
そこでゆるむまでしばらく待っていると、緊張のロックは解除され、次第に緊張は緩んできます。
他も同様の施術を実施。
定期的にこの施術を行っていると、次第に太ももの筋肉は太くなり、ふらつきもなくなって来ました。
重心の固定が外れ、自由に動かせるようになってきたのでしょう。
施術期間中、当初痛みを感じていなかった腰に、たまに痛みが出ることがありました。
最初から腰にも痛みを感じていても不思議でない状態だったのですが、異常があっても他と上手くバランスをとって、痛みが出ないように隠されていたのでしょう。
腰をかばっていた体のバランスが変わり、腰の痛みが表面化してしまったようです。
腰の痛みも、各所の緊張が緩んでいくと共に無くなりました。
モモの太さには左右差がなくなり、つま先立ちも出来るようになり、体のバランス感覚もしっかり安定するようになりました。

ケガをきっかけに、不自然な緊張(歪み)がずっと残ることはよくあります。
その原因の一つは、患部をかばうために起こる、体のかばい動作です。
ケガが短期間で治るのなら、かばう動作も長くは続きませんが、年齢が上がると共に、回復に時間がかかるようになります。
その間、長期間かばい動作を続けていると、体に動きが染みついてしまい、本来の正しい動作が出来なくなってしまいます。
また、ケガが治ると共に体の動きも元に戻るのですが、その時には少し患部の痛みがともないます。
しかし、この痛みを気にし過ぎたり、まだ治ってないのだと不安に思い過ぎると、又かばい動作が出て、各部に異常緊張を作る原因になります。
これはある意味、自分で緊張を育ててしまう現象です。
こうなると、早い時期に適切な施術が必要です。

(2016年掲載)2021.09更正

トップへ