頭痛と言っても、ずきずきタイプや鈍痛タイプと色々なタイプの頭痛があります。
それぞれに決まった治し方がある・・わけではないのです。
痛みの原因には個人差があって、人それぞれ個別に見て行かなければ上手く行きません。
一つ一つ原因を探って直していきます。
今回の話は一週間以上頭痛が続いている方の話です。
頭痛の場所は、片側の後頭部あたり。
痛みの種類は、重い痛みですが、たまにズキズキと脈打つ(拍動性)ように痛むことがあります。
数日前にマッサージに行ったのですが、治らなかったので来院されました。
頭痛の広がるエリアを細かく調べると、片側の後頭部から首筋を通って肩まで広がっています。
肩首周辺を触診すると、肩の僧帽筋が異常に強張っています。
僧帽筋の強張りを評価基準にして、施術をすすめます。
僧帽筋にゆるみが見られれば、頭痛の解消にも繋がりそうです。
僧帽筋は、肩甲骨、鎖骨だけでなく胸椎、頸椎、頭蓋骨と、広範囲のエリアに付着している筋肉です。
まず、肩甲骨と鎖骨にアプローチして、僧帽筋の緊張をゆるめます。
しかし、肩甲骨と鎖骨からのアプローチだけでは、十分な僧帽筋の弛緩が起こりません。
そこで、次は頸椎側からアプローチすることにします。
頸椎の触診をしていくと、頚椎1番と頚椎7番に緊張が出ています。
この二個をゆるめてみる事に。
どちらの頸椎も、緊張による関節の歪みで、頭痛発生側へ向かって飛び出しています。
この飛び出す力の方向を正確にとらえ向きを合わせないといけません。
後頭部を手のひらで包むように支え、頸椎一番が浮くように支える事で、緊張とのバランスを取ります。
そのまましばらく待つと、次第に頸椎一番の緊張は緩み始めます。
頸椎7番も同じようにやっていきます。
頸椎の外へ飛び出す力は次第に弱まり、それに伴ってこわばっていた僧帽筋がやっと緩み始めました。
十分なゆるみが出たようなので、頭痛の様子はどうかと聞くと、痛みが無くなったとおっしゃいますので、施術を終わりました。
どうやら僧帽筋は二次被害を受けていただけで、原因は頸椎~頸椎を結ぶ筋肉(多裂筋など)の緊張にあったのでしょう。
ゆがんだ関節の周辺には、不自然な筋緊張が持続しています(緊張のロック)。
緊張のロックが関節(骨)をゆがめているのですが、長期間続くと関節構造に変形を招くこともあります。
慢性的に緊張している筋肉は、過度な疲労はもちろん、血液リンパの循環不全も起こります。
老廃物の蓄積、発痛物質の放出です。
それらが原因で、痛みやシビレなどの症状を起こします。
今回の症状は頭痛でしたが、少し条件が違えば、耳鳴りや目まい等の症状であったかも知れません。
同じ原因でも、症状は同じとは限りません。
症状から原因を特定するのが難しい理由です。
2018.7月加筆修正(2021/09更新)