整体よもやま話

慢性腰痛・過緊張タイプの方にも著効

硬直/緊張

全身の緊張度が高いタイプのかたが時々います。
わりと細身の女性に多いような印象です。
本人はもちろんそんな気はないのですが、横に寝ても体の緊張が抜けず、全身がなんとなくピーンと緊張している感じで、施術を行うのに少し苦労します。

60代の女性。
ホテルの客室清掃の仕事をしておられます。
仕事の影響もあるようですが、肩こりと腰痛が周期的に強くなるので、月に一度ぐらいのペースで来院してくれています。
この方が、全身緊張タイプなのです。
他の方たちと比べてもトップクラスです。
脱力が苦手で、無意識に全身に力が入ってしまいます。
そのせいで、たまに行くマッサージでは、全身がガチガチに凝っていると勘違いされ、強揉みされ、強烈な揉み返しでその後苦しむことも多々あるそうです。
「もうあそこには行かない」と愚痴るのですが、マッサージに行く時は、相手としっかりコミュニケーションをとって下さいとね、と話しています。
コリを感じる場所とそうでない場所を自分から説明するようにと言っているのですが、言えない事が多いそうです。
「凝ってますねえ!」と言われると、凝ってませんとは言いにくいそうで。
そんなもんなんですかねえ・・
慢性的な緊張による硬さか、意識的に力が入っている硬さかは、施術者であれば見分けられる基本的技術です。
意外とそれがおろそかになっている施術者も多いのでしょうか。

腰痛

さて、このかたの腰痛です。
なかなか完全な回復が難しく、施術後しばらくは調子良くなるのですが、ひと月もすると次第に辛くなって来ます。
仕事の負荷もあるのですが、それよりも、日常の動作でさえ必要以上に力んでしまってます。
力みを入れると、体に不必要な支点が出来ます。
支点が出来ると、体の重さの負荷が、てこの原理で支点にかかるので、故障が出やすくなります。
体も固まり、おかしな体の使い方が癖になってしまいます。
この癖を取るための楽な体の使い方を何度も指導したのですが、なかなか上手くなりません。
今まで長年馴染んできた自分流の動かし方を変えるのは、体の柔らかさよりも、頭の柔らかさが必要です。
発想の転換が必要です。
大人になると、これが結構難しい。
この辺は、子供の方が変わるのが断然速いですね。

そこで、何とか施術が上手く行きやすい方法はないかと試行錯誤の末、腰仙関節(腰の付け根)をゆるめる操作にちょっと工夫を加えてみる事に。
本来は、極力脱力してもらって施術を行うのですが、このかたは言えば言うほど緊張が抜けない。
いっそこの緊張の力を利用して施術できないかと考え。
緊張に対して抵抗する方向へ軽いテンションがかかるように保ち、緩めようとするポイントへ向かって動きを伝える方法をやってみました。
複数の関節にまたがるエリアを、本人の緊張を利用して一つの塊にし、緩めるポイントに動きを伝える。
これが結構上手く行き、緊張を保ったままでも患部を緩めることが出来ました。
この施術後、日中の腰の調子が良くなり、次いで朝一の辛さも無くなり、その後とても良好な状態が約3ヵ月続いています。
今までの施術法を進歩させていく、良い機会をいただきました。

注意!本記事は、まだ安穏亭の基本手技である集心法(しゅうしんほう)が完成していない時期に書いたもので、集心法開発のヒントになった事例です。
記事内容が古い内容ですが記録としてそのまま掲載しています。

2011年掲載(2021.09更正)