整体よもやま話

6年来続く腰痛

腰痛

腰痛も、6年続くとそれなりに成長してきます。
成長し増殖した悪いところが関係して、ちょっと変わった腰の痛みかたをする事もあります。

このかたは、30代女性。
6年以上続く腰痛があります。
肩こりも慢性化しています。
腰の痛みは、左側に出ており、痛みは腰からモモへ広がっています。
ここまでは、よくある腰痛からの下肢への放散痛と言う症状ですが、腕の動作テストをすると、腕を真上に上げると痛みが強くなります。
左腰~モモの痛みです。
この痛みは、片腕ずつ上げても同じように強くなります。
さらに、両腕同時に上げるともっと強く痛みが出ます。
腰の回旋運動や側屈運動でも、全て左腰に痛みが出ます。
しかし、腰の前屈動作では、痛みは出ません。
もう一つ、仰向けで両膝を曲げ右へ倒すと左腰に痛みが出ます。
痛みが出る腰の動作の種類が多いので、まずこの各動作での痛みを減らして行くことにしました。
痛みが出やすい方向に向かって、往復するように小さくゆらします。
特に右膝倒し方向の緊張が高いので、この方向を重点的に行いました。
全ての方向を小さく揺らして緊張を緩める。
術後は、各方向の腰の動作で痛みは全て無くなりました。
片腕ずつ腕を上げても、腰の痛みは出なくなりました。
ただ、両腕同時だと少し痛みが残ります。
初回はこれでいったん終了し、一週間後にもう一度施術を行うことにしました。

前回の施術以降、腰の痛みはほとんど無くなり、良い状態を保っていました。
たまに、痛みが少し気になることもあるそうです。
すぐ治まる痛みだそうですが、疲れたときに、お尻に重い感じが出るようです。
動作テストをすると、立って腰を左回旋させると左鼠径部に少し痛みが出ます。
そこで、左鼠径部(骨盤の内側)にあった緊張をゆるめると、腰の左回旋による左鼡径部の痛みも無くなりました。
しかし、問題はそれだけではなさそうです。
症状はすべて左サイドに出ており、左サイドに緊張部分も多くありました。
しかし、それを緩めただけでは、左サイドにかかってしまう負荷を十分小さくすることが出来ませんでした。
もう一つの施術ポイントは、右側の腰にありました。
こちら側には何も症状は出ていませんが、よく調べてみると腰の深部に緊張が出ています。
この緊張が腰椎を傾かせ、左サイドに負荷を多くかけてしまう姿勢動作を作っていたようです。
右側の腰の緊張も緩める、左サイドへ掛かっていた負荷を無くすと、症状は出なくなりました。
この症状が、右腰の緊張が始まりなのか、それとも左なのか、どっちなのでしょう?
一カ所の異常を、体はそれをかばって隠してしまう事があります。
うまく隠せると、症状はその部分には出ませんが、結局、体の動作にアンバランスが出るため、いつの間にか別の場所に緊張を作ってしまいます。
連鎖していくように。
体は少々傾いていても、硬くても、無理な使い方をしても、それが吸収できる範囲内であれば、何の症状も出しません。
ところが、ストレス過剰や加齢、不規則な生活習慣などによって体の耐力(許容範囲)が小さくなると、一番負荷のかかっている場所に、何がしかの症状が現れます。
たまたまそこに症状が現れているだけで、原因は離れた場所にあるかも知れません。
ちなみに、腕を上げて腰~モモに痛みが出るのは、腰の重心の移動が前側へ移動しにくくなっていたためです。
普通、腕を上にあげると重心は体のやや前側へ移動するのですが、その為には腰の筋肉をスムーズに動かさなければいけません。
腰の緊張が出ていると、この動作が上手くできずに、前に移動するはずの重心が後ろに残ったままになります。
すると過剰に腕の重さの負荷が腰にかかることになり、痛みを誘発してしまいます。

2010年掲載(2021年9月更正)