整体よもやま話

操法による痛みの再燃

腰痛

今まで動かなくなっていた部分が施術によって動き始めると、止まっていた治癒が再開しバランスが変かを始めます。
その治癒反応の過程で、人によっては一時的に痛みが強く出る場合があります。

60歳男性の話。
25年前から腰痛で、腰椎分離症があります。

以前は別の整体に通っていたが、ここ最近は体操やストレッチをやっているおかげか腰痛はほとんど出ていなかった。
それが4日前に風邪を引き、それから急に右腰が痛くなり、痛み止めやシップを貼るが痛みが引かない。
歩くのも辛い様子で、コルセットを巻いている。

特に辛い動作は、寝た状態からの起き上がり動作と前屈。
そのほかの回旋や側屈動作はほぼ無痛。
痛みは腰椎三番の右3センチあたりを中心に上下に筋が張ったようになっている。
最近県外から引っ越してきたばかりで、環境の変化もあり。

患部の圧痛解除を目的に腰部のポジショナルリリースを実施。
患部周辺の筋の張りは7割程減少し、圧痛は5割程度減少。
リリースの手応えは十分あったが、その後起き上がり動作を確認してもらうと、体の向きを変える動作までは無痛で可能となるが、完全に上半身を伸ばそうとする際にやはり右腰部に痛み・突っ張り感が出る。

続いて操体法の膝倒し実施。左に倒すと右腰部に突っ張り感が出ていたが、操法後左右差はなくなる。
しかし、起き上がり動作や前屈による右腰部への伸張性収縮負荷がかかると痛みが出る。
痛みが出てからずっと(寝るときも)コルセットを着けていたようなので、コルセットの長期使用の悪影響を説明し、代わりにキネシオテープを貼る。
テープを貼った感じは良いようで、コルセットが無くても不安感は無いとの事。
翌日、テープ張替えのため再来店いただくこととして終了した。

その日の夜になると(施術約4時間後)急に患部がズキズキと痛み出し、鎮痛剤を飲んだそうだ。
痛みはすぐに治まりそのまま眠って翌朝起きると、先日までの腰痛はほとんど無くなっており、夕方になっても再発は無く良い状態が続いており、コルセットもキネシオも必要なくなったそうだ。

今回の痛みの再燃は患部へ行ったポジショナルリリースによるものだろう(いっさい揉んだりしていないので、揉み返しではない)。
ポジショナルリリース(圧痛の減少する位置へ体のポジションを移動し、そのまま90秒保持する手技)は操法後圧痛の減少や不快動作が楽になるのだが、その後24時間~48時間の間に約40%の方に痛みが増した感覚が出ることが臨床上知られている。
この痛みは治癒過程での自然な現象であり、軟部組織の再構築が起こっている現われなのだが、ついうっかり痛みが増加する可能性について説明をするのを忘れてしまった。

その後、予定していた湯治に出かけられ、旅行中も腰の状態は再発することもなく、ゆっくり骨休め出来たそうだ。
お土産ありがとうございました。

(2016年7月掲載)2021.09更正