手足の指にできる圧痛点(ツボ)の反応を利用すると、離れた患部の痛みを取る事が出来ると言う考え方があります。
圧痛点にハリを刺したり出血させて刺激する方法ですが、しばらく押さえておくとか、金属粒を貼る方法でも代用できるのかどうか検証していた頃の話です。
2ヶ月前から、右肩甲骨の内側と、肩の付け根の痛みが治らないかたです。
原因は、少し重労働をやった事で、当初かなり痛く、整形外科で検査(MRI)を撮りましたが異常なしと診断されました。
右の肩甲骨の内側と、肩の付け根痛み。
それぞれを経絡で言うと、肩甲骨内側が膀胱経(ぼうこうけい)、肩の付け根が小腸経(しょうちょうけい)です。
膀胱経の先は足の小指、小腸経の先は手の小指になるので、手足の小指周辺に圧痛点を探しました。
見つかった圧痛点を軽く押さえておくと、患部の痛みがはっきりと減少しました。
押さえるのを止めると痛みが戻るので、押さえる代わりに金属粒を貼ることで、痛みを減少したままにすることが出来ました。
他にも、肩の凝りには大腸経(だいちょうけい)の手の親指と人差し指の間(合谷)の圧痛点が効果が非常に効果があり、脇の前側の痛みには心包経(しんぽうけい)の手の人差し指と中指の間の圧痛点が効果がありました。
また、お腹の調子が悪いらしく(下痢)、左腹部を軽く押さえると嫌な感じがあるような場合にも、この場合は左足の薬指(胆経)をつまむことで嫌な感じが減少することを確認できました。
経絡、経穴(ツボ)の反応を利用した方法で試み、上手くいった例です。
このかたも、治らないのかと思っていた背中側の痛みが無くなり安心した様子でした。
圧痛点への軽い刺激でも不思議と体には変化が起きるようで、その効果を確認することが出来ました。
(2011年5月掲載)2021.09更正