整体よもやま話

過労によるカカトの痛み

踵の痛み

「両足のカカトが痛む」と言う方が来院されました。
数ヶ月前に一度来られたかたです。
その時は、首や肩の強い凝りと偏頭痛を訴えていました。
それは良くなったらしいのですが、今回は長く立ち仕事をしていると、両足のカカトに強い痛みが出るとおっしゃいます。
建築関係の方なので、屋外での肉体労働が主な作業です。

まず、どんな状態か脚を見てみます。
触診すると、両脚のふくらはぎが緊張で随分硬くなっています。
足の甲側には圧痛がいくつかあります。
圧痛は、足の小指から中指のエリアです。
両足とも、薬指が一番圧痛が強いようです。
両方の膝裏にも圧痛が出ています。
スネ(前脛骨部)及び、右の腰にも緊張が出ていますが、ここにはハッキリした圧痛は出ていません。
カカトに付着しているのは、ふくらはぎの筋肉です。
基本的には、ふくらはぎの緊張を解除していけば良いのですが、このかたの場合、足の甲側に多くの圧痛(緊張)が出ています。
甲の緊張は、スネに繋がっているので、スネの緊張をしっかり緩める必要があると判断しました。
スネの疲労が続き、緊張状態が解除出来なくなると、スネの見た目や感じが少し変わります。
スネの骨(脛骨~腓骨)の間が広がって、スネが太くなったような感じになります。
すると、アキレス腱側も当然緊張するので、カカトに負荷が偏ります。
そのまま足を使い続ければ、カカトに負荷が溜まり、痛みが出ます。
カカトの痛みは立つと出るので、この動作で、痛みが変化するかを確認しながら、施術を進める事にしました。

まず最初に、ふくらはぎ側を緩めるために、膝裏に出来ている圧痛を解除します。
これには、操体法を用いました。
これでカカトの痛みは半減しましたが、まだ少し残っています。
次に、足の甲の圧痛点を緩めて行きます。
特に薬指周辺の緊張が高かったので、重点的に緩めます。
施術は、圧痛点を上下から挟んで緊張と釣り合いを取り、緩む方向を探しながら小さく揺らしていくと、次第に緩んで来ました。
次に、スネを緩める施術を行います。
足趾を開いて、足首を底屈方向へ。
スネの緊張と釣り合う位置まで動かしたら、緩む位置で固定。
しばらく待って緩めていきます。
ある程度緩んだところで、もう一度立ってカカトの痛みをチェックすると、両足とも痛みはゼロになりました。
時間が残ったので、右腰の緊張を操体法で解除し終了としました。
忙しいかたで、なかなか施術を受けに来れないそうなので、セルフケアをいくつか指導し、終了にしました。
しかし、両足共に同じ症状が出るのは珍しい。
大体は、どちらか片方だけなのですが。
かなりの疲労が両下肢に溜まって、運悪く両方ともに緊張が固定されてしまったようです。
カカト部分には、ふくらはぎの筋肉の腱、つまりアキレス腱が付着しているので、あまり過負荷をかけると、アキレス腱を切ったり、あるいはカカトの部分で剥離骨折が起きることもあります。
そうなると、治るのに結構時間がかかるので、あまりひどくなる前に治しておかないといけませんね。

(2013年掲載)2021.09更正