広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

TOP整体よもやま話

カチカチ肋骨

やわらか肋骨」の続きです。

肋骨の柔軟性がいかに大事か、だいたい説明できたと思うので。今回は、なぜ肋骨が固くなってしまうのか?不思議ですね。
最初はみんなやわらかいはずなのに。
どうやら年齢とともに固くなってくる事が多いようです。

体幹部

 子供を見てみましょう。
全身やわらかいですね。
子供は大人と違って骨がまだ未完成なので骨自体がやわらかいのですが、それ以外の違いも考えてみましょう。
それは体の動かし方の違いです。
子供は手足も短かく力も弱く、体重も軽いので、手足だけではなく胴体(体幹部)もしっかり動かします。
また、鬼ごっこ、鉄棒、木登りなど、全身使った遊びも多いので自然と肋骨の柔らかさを保っているのでしょう。
では大人は?
手足も伸びて体も大きくなり、力もつき、体重も重くなるので、大体のことが「手先」「足先」だけでも出来るようになってきます。
手先や足先だけを使う動きを上手にやるためには、体幹部分を固定したほうがやりやすいようです。
例えば、針に糸を通す場合。
肘を机から浮かせて糸を通す場合と、肘を机について通す場合。
やってみるとすぐわかるのですが、肘をついてた方がすごくやり易いはず。
手先だけの細かい作業をやる時は、手先以外のところを固定したほうがやり易いわけです。
こうやって、全身、特に体幹部を使う機会が少なくなってくると、次第に肋骨が固まって来るのでしょう。
パソコンも手先しか使わない人が多いようなので、注意が必要です。

さて、肋骨が固くなると呼吸がしにくくなる話は前回しましたが、その呼吸。一般的には、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」に分けられます。
皆さんは「腹式呼吸」の方が馴染み深いかもしれません。
下っ腹を出したりへこませたりする呼吸法です。
ある本によると、腹式呼吸の能力は年齢が上がってもあまり衰えないのに、胸式呼吸の能力は20歳ごろから急激に低下してくるそうです。
高い運動能力を発揮するには、十分な酸素が必要です。
その役目をになっているのが「胸式呼吸」なのだそうです。
肋骨が柔軟で胸式呼吸の能力が高ければ、多くの酸素を一気に取り込むことが出来ます。
胸式呼吸は「アクティブ呼吸」で腹式呼吸は「リラックス呼吸」という言い方も出来るのかもしれません。

では、肋骨がガチガチに固まった人はどうすればよいのか。
脚も、腰も、肋骨も、肩も。
全身ガチガチ。
そんな方がいらっしゃいました。
肩は両肩とも四十肩を以前やっており、動きが狭くなっています。
肩こりがひどく、マッサージに月に何度も通って強くもんでもらってるようです。
こういう方は大変です。
全身の主要な関節がみんな固く固定されていて、お互いの固さが影響しあい悪循環を起こしています。
こういった場合、まずは一番緩みやすそうな所から施術を行うのが良いようです。
この方の場合、まずは脚から始めました。
例えば、脚がゆるめば腰もゆるみます。
股関節がゆるめば背中もゆるみます。
肘がゆるめば肩、首がゆるみ、肩が緩めば胸、肩甲骨周りがゆるむ。
みんなつながっています。
また体の緊張状態(固さ)もコントロールしているのは脳なので、体の一部でも緊張が取れると脳の緊張レベルも下がり、結果的に他の部分の緊張レベルも自然と下がるようです。
いつもは家庭での簡単なエクササイズを指導するのですが、この方の場合はあえて指導はしませんでした。
これだけ動きが制限されていると、自分で動かそうとおもってもうまく出来ずに違うところに負担をかけてしまうかもしれません。
1回目で肩関節の動きがややつき始めました。
数回も施術を行えば自分でエクササイズできるレベルにはなりそうです。

しょっちゅうコリをほぐしてもらわないと体がもたないと言うのは普通ではありません。
なにか緊張を持続させている原因があるのであれば、それを取り除かなければいけません。
ではエクササイズを一つ紹介します。
ちょっとこれは難しいかも知れませんがチャレンジしてはいかがでしょうか。
図を見てください。

背中をスライド

背中を背骨で左右に割って、右側の背中を真上に上げ、左側の背中を真下に下げるように動かします。
イメージは背中を上下にスライドさせる感じです。

もちろん少ししか上下には動きませんが、イメージして動かしてみてください。
背中のガチガチの人は、うまく出来ると背中の筋肉がバリバリ剥がれる感じがして、その後すごくぽかぽか暖かくなって来ると思います。
背中の憑き物が落ちた感じになるかもしれません。

背中曲げ
背骨を左右に曲げるのではないので、そこのところは注意してやってください。
あくまで背骨はまっすぐな状態で。
最初は無理せず徐々に試してみてください。

(2014年掲載)2021.09更正

トップへ