広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

TOP整体よもやま話

膝の曲げ伸ばし動き始めに痛む

動作時の膝の痛み

膝の痛みにも色々ありますが、このかたの場合は、正座は大丈夫。
膝の屈伸運動や歩くのにも支障は無い。
でも、しばらく膝を動かさない状態から、急に伸ばしたり曲げたりすると、膝の関節の周りに痛みが出ます。
膝をひねったとか、無理をしたとか、何も思い当たる理由は無いそうです。
膝の動作テストをしてみましたが、確かに痛みが出る動きは無いようです。
どういう事なのでしょうか?

どんな膝の痛みでも、まず見るのは、膝の裏側の状態です。
膝の裏に緊張が出ると、膝の関節が詰まり、動きに滑らかさが出なくなります。
そのうち関節が負荷を受けて、痛みを出し始めます。
この場合、だいたい正座で痛みが出るパターンが多いので、このかたには当てはまらないかも?
膝裏を触診したところ、正座では痛みが出ないこのかたの場合、案の定膝裏に緊張は出ていません。
そうすると、どこに異常が有るのでしょうか?
膝の筋肉には、膝関節をまたいで足首側へ行くものと、太もも側へ行くものが有ります。
結構大きな面積の筋肉群です。
それらのどこかに異常が起きているのでしょう。
ふくらはぎ側から順番に、股関節側へ向けて、検査していく事にします。
検査は仰向けで、片脚を持ち上げて、検査する部分を支えるように持ちます。
きちんと支えると、緊張がある方へ傾き始めるので、この変化を緊張の有無検査に利用します。
すると、太もも外側と、膝の外側に不自然な緊張が見つかりました。
そこを押さえると、少し痛みがあります。
普段は、その部分に痛みなど全く感じなかったようです。
そこで、この2カ所の緊張を緩めてみる事にします。
一カ所は膝関節を。もう一カ所は股関節を使って緩めます。
どちらも、検査の時と同じように緩める場所を支え、傾きが消える位置へ支えを移動します。
すると、緊張していた筋肉は、ロックが外れたようにゆるみ始めます。
緊張の引っ掛かりが取れたおかげで、広範囲に周囲の筋もゆるんで来ました。
後は、実際の生活で、痛みがどうなのかを試してもらいましたが、もう痛みは出なくなったそうです。

普通のコリによる緊張であれば、伸びにくさはあっても、伸びないわけではないのですが、ここで言う緊張は、全然伸び縮みしない、引っかかったような状態(緊張にロックがかかった状態)の事を言います。
これが症状を出し始めると、その筋肉全体に緊張が広がり、次第に周辺の血液循環低下を招きます。
動かしていれば、血液循環は促されるので、痛みは出なかったのでしょう。
しかし、じっとしていると、血液循環は悪くなってしまいます。
この影響が、動きはじめだけ出る膝の痛みに繋がっていたのでしょう。
小さな緊張なのですが、条件がそろうと、変な痛みや症状が出てきます。
何も悪さしないで隠れている緊張もありますが、ひそかに体に制限(負荷)をかけているのは、間違いありません。
何か条件がそろうと、顔を出すかも知れませんので、あまり無理をかけ過ぎないよう気を付けてください。

2018/12/7作成(2021.09更新)

トップへ