広島市安佐南区長束 整体の安穏亭

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熱が切っ掛けで目にズキッ!と痛み

目のズキッと痛み

今回は、病気で40度の熱が出ていらい、目と肩に「ズキッ!」とした痛みが出るようになった人の話です。
目と肩、どちらも右側が顕著に痛むそうです。
「ズキッ!」と一瞬だけ痛みが出る感じだそうです。
目の痛ですからすでに眼科は受診しており、検査では特に異常は見つかっていないそうで、原因は分からないと言われたようです。

症状の切っ掛けが「発熱」と言う人は、私も初めての経験です。
細かく症状発生の経緯を聞いても、確かに発熱後からのようです。
ですが、仕事柄パソコン画面を長時間凝視するそうで、目や肩は普段からかなり酷使しているようです。
もともと要因があった可能性も高そうです。

首の歪み(左右差)を直すと回復

施術の前に、いくつかテストを行いました。
まずは首の動作テストです。
前後左右斜め回転など基本的な動作テストを行いましたが、特に問題は見られません。
首に痛みや違和感は出ていないようです。
しかし、首の左右の形が妙に気になります。
かなり不均等なのが目立つためです。
具体的に言うと、頸椎の左前側と右側面部分に不自然な筋肉の盛り上がりが見られるのです。
その部分の筋肉の名称は、斜角筋(前部と中部)です。
それ以外に問題が無いか細かく見ましたが、怪しそうな個所は見当たりませんでした。
まずは斜角筋の施術をして、緊張を緩めることにしました。
ちなみに斜角筋だけでなく、それ以外にも頸椎の骨の際についている小さな筋肉や、背中つながっている筋肉などにも少なからず緊張がありますので、あわせてそれも緩めます。

この人のように、症状は右側なのに反対側の首にも異常があるというのは結構よくあります。
体の中心を挟んで対角線上に緊張が出るのですが、バランスが悪い状態でも何とか安定させるために発生するのだと思います。

仰向けに寝てもらい、首~背中へ手のひらを差し入れて、緊張によりバランスが傾いて重くなっている所を探します。
特に肋骨一番に重さを感じます。
斜角筋は頸椎~肋骨に走行しています。
その為、頸椎と肋骨の動きを制限し、歪めているのでしょう。
しばらくの間、傾いて重くなっているポイントをバランスが取れるように支えると、少しずつ肋骨の緊張がゆるんで来ました。
肋骨が緩んでくると同時に頸椎側面の緊張も緩んで来たので、首の左右の形も均等になってきました。
三回の施術を終えて首の歪みが十分無くなって来ると、それと共に症状である目と肩の「ズキッ!」とした痛みも回復しました。

発生メカニズムの推察

推測にはなりますが、この首の緊張は今回高熱が出るよりも前から有ったものかもしれません。
首の緊張の原因は、仕事による慢性的な負荷ではないでしょうか。
元々あった慢性的な首の緊張。
この緊張が体の中でウィークポイント(弱点)となっていて、高熱による悪影響が重なったときに緊張を活性化させたのではないかと思います。
例えばインフルエンザなどで高熱が出ると、体のあちこちが痛くなりますよね。
とは言っても、全身くまなく痛むわけではないと思います。
右肩が特に痛むとか、かたよりがあるはずです。
痛む部分は古傷だったり、普段からちょっと無理をすると痛くなりやすい部分だったりと、何か思い当たる節がありませんか?
そこはウィークポイント(弱点)だったのでしょう。
筋肉に緊張が出て取れなくなると、そこは大げさに言うと動けなくなります。
動けないと言うのは循環系でいうと「代謝が悪い」「滞る」「溜まる」と言った悪い環境です。
身体がそこを上手くかばうことが出来ていれば、症状は強く出ず潜伏してしまうでしょう。
しかし、発熱したり体が異常に疲労したりすると、炎症物質が血管内をグルグル回って行くうちに、循環が停滞している部分で留まります。
この時初めて、潜伏して隠れていた悪いところが何がしかの症状を表に出して来ます。
一度症状が悪化して表面化してしまうと、なかなか治らず慢性化してしまうこともあるでしょう。
おそらくこの人も、このような経緯を辿ったのだと考えています。

2021/12/4作成(2022/4更新)

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