整体よもやま話

見た目の歪みにこだわる人

ゆがみ

見た目の歪み。
体に悪い部分がある”目安”にはなります。
しかし、見た目に歪み(左右差など)があるからと言って、それが悪いとは限りません。
歪みで気にしないといけないのは、見た目ではありません。
言うなれば、感覚の歪み(左右差など)です。

今回の話は、とても見た目の歪みを気にするかたの話です。
見た目の左右差を特に気にしています。
例えば左右の耳の位置の違いとか、例えば左右の骨盤の高さの違いとか、他にも首の筋肉の太さが左右で違うとか。
どうやら見た目のゆがみ(左右差)に対して、少し過敏になっているようです。
以前に、乱暴な整体で体を壊され、違和感や痛みが残ったという経験があるかたです。
「歪み」と言うキーワードに対し、特に気にしてしまうのかも知れません。
仕方ないことなのでしょう。

さて、見た目に左右差があるというのは整体でもよく言うセリフですが。
左右差や歪みがある事は、何か悪いことなのでしょうか?
人の体は元々、左右対称には出来ていません。
骨の形も左右で違います。
骨の長さも左右違います。
骨の太さも厚みもみんな違います。
骨盤も見た目に左右差があるのが普通です。
見た目(形)の左右差にあまり捕らわれてもしょうがないことです。
このかたにも、あまり気にし過ぎないように話していたのですが、どうしても気にしてしまうと言います。
何も問題がないのに気にしすぎて、見た目が対称になるよう無理に振る舞っていると、本当に動きが狂って本物の歪みを作ります。
左右対称かどうかの一番のポイントは、見た目ではなく、本人の感じる「感覚」です。
前後左右対称に動かした時、感覚に極端な差がないか?
重心の乗りにくい側がないか?
伸びにくい縮めにくいと感じる部分はないか?
もちろん痛む場所もそうです。
こう言った感覚の異常がないかが、本物の歪み(悪い所)の目安になります。
これら感覚異常がないのであれば、見た目の歪み(形の歪み)は気にする必要はありません。
元々形が違うだけの話でしょうから。

さてある日、このかたが来院され、今回は首の歪みが気になるとおっしゃいます。
場所は、頚椎2番。
自分で触ると、頸椎の右側だけが大きいように感じるそうです。
確かに右側だけモコッと塊のようになっています。
首の動作テストをすると、明らかに左右差が出ています。
今回の歪みは本物です。
頸椎2番が出ている部分では、緊張によって軸移動が固定されていました。
それの緊張を緩めて、軸が動けるようにすると、周囲の筋肉も弛緩し「モコッ」と塊のようになっていた頚椎2番は小さくなりました。
もちろん、首の動きの左右差も無くなったのを確認しました。

今回のように、見た目だけでなく「感覚の左右差」があると、そこには、解除するべき緊張が潜んでいることあります。
単純に形が違うだけの所には、いくら調べても何の緊張も見つける事は出来ません。
左右差とは、形(見た目)を言うのではなく、動きの幅や感覚の左右差を言います。
施術中に、骨の左右の位置などを確認するのは、施術の前後の変化を見るための相対的な比較です。
パッと見て骨盤が右よりも左が少し高いなどは参考程度にしか見ていません。
見た目の差よりも、本人が感じる感覚の左右差(痛み、違和感、不安定感など)が重要な歪みの情報になります。

(2016年掲載)2021.09更新