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整体よもやま話

中心軸のズレを直す軌道(集心法)

歪んだ関節の一例をもとに、ズレを直す軌道の考え方を説明します。ここでの考え方は、直接触れることの出来ない深部の筋肉に対して関節(骨)を使ってアプローチする考え方です。

まず、正常な関節は中心軸(重心の乗る軸)が動きに合わせて移動出来ますが、歪んだ状態の関節は軸がどこかに固定され移動出来ないと考えます。(参考:正しい関節の動きと連動

図Aが歪んだ関節の一例です。二つの骨が上下に重なった関節構造です。

上側の骨(緑)が右へ傾いています。これは関節の右側に付いている筋肉が緊張によって短縮し、関節に歪みを起こしている状態です。中心軸(重心)はXの位置に偏ってしまいます。本来歪みのない状態であれば、中心軸(重心)はもっと中央になるはずです。この歪んだ関節を無理やりまっすぐに起こそうとすると、偏ったX軸を中心に傾いた骨(緑)が動くことになり、図Bの様にズレた位置へ移動するだけになります。また、動かすにもかなり強い力が必要なうえ、ズレは直っていないので、離せば元の歪んだ状態(図A)に戻ってしまいます。


集心法の軌道

ではそうならない為にどのように動かせば良いのでしょうか?

それには右側の短縮筋の反応を使います。短縮筋が伸びる方向へ動かすと、すぐさま筋緊張による抵抗を受けます。詳しい説明は省きますが、その時X軸にズレている中心軸は短縮筋の緊張に捕らえられた状態になります。このまま短縮筋の緊張を一定に保ちつつズレた中心軸だけを中へ入れるように動かします。
図をよく見てくれた方は気づいたと思いますが、図Cで右の短縮筋が少し伸びています。これは正しく軸をコントロールして中心へ移動させていくと、その瞬間から右の短縮筋は少しずつ緊張を緩めていくためです。
この動きは、上側の骨(緑)を下の骨に向けて押し込んで行く動きとはちょっと違います。歪んだ関節に働いている緊張を捉え、それに抵抗させずに変化を与える集心法独特の動きになります。

普通、人は力を加えようと力む時、固定支点を作ろうとします。固定支点で歪んだ関節を動かそうとすると、関節の抵抗はますます強くなり、関節は正しい軌道で動くことが出来ません。また、施術者が体に痛みや歪みを抱えていたり、動かしてやろうと思う気持ちが強すぎても力みが生まれます。
自分の姿勢や足の位置などフォームを正しく取り、常に気持ちも姿勢もニュートラルな位置に置き、正しい姿勢で患部にアプローチする事が必要になります。

2018年11月加筆修正(2021.01更新)